■作曲家
■手塚治虫から突然電話でオファー
――テレビアニメ「ジャングル大帝」(1965年)で、漫画家の手塚治虫さんと初めて仕事をします
突然「手塚治虫です」と電話がかかってきて、「ディズニーを上回る作品を作りたい」と。その頃のテレビアニメは予算をかけず、音楽もチャチなものだった。手塚さんは「あれじゃだめだ、冨田さん、大河ドラマのような音を作ってほしい」とおっしゃる。願ってもないことだし、ご本人からの依頼じゃ断れない。
打ち合わせに行くと、手塚さんはアップライトピアノでチャイコフスキーの交響曲第5番の第2楽章を弾き始めた。「こういう雄大さがほしいんだ」と言いながら。ピアノは調律されていないし、演奏はミスタッチだらけだけど、思いは伝わりましたね。