■作曲家
■シンセサイザーで未知の世界に船出
――全編モーグ・シンセサイザーによる初のアルバム「月の光」を1974年に出しました
僕がシンセサイザーを手にするきっかけとなったカーロスの「スイッチト・オン・バッハ」も、音色はむき出しの機械音でだめだと思った。色彩感で勝負しようと、ドビュッシーばかり集めた「月の光」を作った。日本の影響も受けた作曲家ですし。
完成まで1年4カ月かかった。今のように用意された音をボタン一つで呼び出せるわけじゃない。ゼロから音作りです。ケーブルをつなぎ、ボリュームで音を調整するうち、ようやく楽音らしいものにたどりつく。厚みを出すため何十回、何百回と録音を重ねて。