■楊逸(作家)
欧米文化が身近になったとはいえ、それに接すれば接するほど、理解できなくなることもしばしば起きる。そんな感覚を持つのは、ずっとアジアで生活している私に限らない。アメリカに移住した知り合いからも、雑談の端々にため息と一緒に出てきたりする。
たとえば車の運転免許。車社会であるアメリカでは、州によっては十五歳の中学生でも免許を取って車通学が可能となるらしい。中学二年に上がるや否や、知り合いの息子が、車で学校に来る同級生たちを羨(うらや)ましがって、毎日のように免許を取りたいだの、車がほしいだのと母親にせがむようになった。