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(クロスレビュー)映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

写真:松本零士さん拡大松本零士さん

写真:溝部宏二さん拡大溝部宏二さん

(2012年12月5日)

 【構成・岩本哲生】アニメ映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」がヒットしている。1990年代後半のテレビシリーズを基に4部作に再構成された3作目で、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットになった少年少女の闘いと苦悩を描く物語だ。人気の背景を、「宇宙戦艦ヤマト」で知られる松本零士さんや「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の著書がある作家の岩崎夏海さんらが考える。

■速くて目が回る現代映像:松本零士(漫画家)

 私も宇宙空間を一生懸命描いてきたが、この作品はまた違った空間が作られている。新しいタイプの表現方法や動き、デザインだ。クラシック音楽の音の並び方が理路整然としているのに対し、現代音楽は不協和音を混ぜて作曲されているが、そのような表現方法の新しさで「現代音楽」ならぬ「現代映像」とでも呼べるものを切り開いた作品だと感じた。

 出てくる用語はもっともらしく、徹頭徹尾この世界を表現している。自分も劇中の画面の中にいて一緒に楽しんでいるような気持ちになる。テンポが非常に速く、目を回す人もいるかもしれないが、目が回るから面白い。

 艦船のデザインも流体力学的に良くできている。曲線のつながりや動き方をうまく描くのは好きじゃないとできないものだ。色彩感覚も良く、速く動くのにキャラクターの識別がしやすい。

■「逃げたい」若者の心つかむ:溝部宏二(追手門学院大心理学部准教授=精神医学、心理療法)

 主人公シンジのキャラクター設定が興味深い。シンジがきっかけを作った14年前の災禍を巡って周りの人たちに非難されても、シンジは自身が悪いと認められず他人のせいにする。「妄想分裂ポジション」と呼ばれる不安定な心の状態を描いている。状況によっては、我々にも起こりうる心理だ。

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朝日新聞将棋取材班

朝日新聞放送取材班

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