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 home>文化・芸能>声の曲馬団  



 言葉の隘路を通って、他者の魂へと繋がってゆく。年初にそう書いたとき、自分はなんと呑気で、怖いものしらずだったのだろう、いま連載を終えて、つくづくそう思います。生々しい日々の出来事を尻目に、まさにその現実をともに生きる共同体に向かって作品を書きながら、わたしは初めて、詩というもの、そして詩人という存在について、畏れのような気持ちを抱いたのでした。
 同時に、この数ヶ月間、わたしは自分がもっとも幸福で恵まれた詩の書き手であることを確信していました。読んでくださった方、感想を送ってくださった多くの方々、ありがとうございました。いつかまた、お会いしましょう。

 2004年5月8日 四元康祐



四元氏が3月に来日したのを機に、連作「声の曲馬団」の未発表作品「鸚鵡」の朗読を、朝日新聞東京本社スタジオで収録しました。ビデオでご覧下さい。

「鸚鵡」(テキスト版)


ご愛読ありがとうございました。04/30の更新分をもちまして、週刊詩劇場「声の曲馬団」、終演とさせていただきます
今日のニュース(04/04/30) *最終回
筏にのって(04/04/23)
告知(04/04/14)
母に(04/04/06)
虜(04/03/30)
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朝のキャラバン(04/02/24)
砂漠へ(04/02/17)
春の河原 (04/02/10)
夜のコンビニ (04/02/03)


*朗読はFlash版の本文ページで再生できます

撮影 平山利男


 オランダには、地下にも運河が走っていて、広場の一角にその水門を操るためのハンドルがある。夏の夜には、門を開き、水を流さないと、街中にいやな臭いが立ちこめる……

 最近その話を聞いて、私は思いました。私達の暮らしに言葉は溢れかえっているけれど、ひとりひとりの胸の奥底には、行き場を失った感情が澱んでいて、ときおり思わぬ所から噴出する。そのことが、政治や経済の問題にも、深く係わっているのだろうと。

 私は、自分のなかの広場から、手探りで、地下の水門を開いてみたいと思います。暗渠に閉ざされた、さまざまな声を聴きたい。私の運河は、日本語という海を介して、他者のそれと繋がっているので、あなたにも、その声が届くかもしれません。




 1959年、大阪府生まれ。夫にして二児の父。1986年より米国に、1994年からはドイツに在住。詩集に「笑うバグ」「世界中年会議」(山本健吉賞)「噤みの午後」(萩原朔太郎賞)。本年2月、第4詩集「ゴールデンアワー」を刊行。




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