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歌舞伎を楽しむ

〈第2回〉「歌舞伎のチケットはやっぱり高い?」

2006年09月04日
図

座席配置図

 歌舞伎座のチケットにはいろんな種類があって、他のエンタテインメントと比べても、ぐっとリーズナブルな席があることをご存知ですか?

 たとえば歌舞伎座9月公演の場合、3階後方のB席だったら、たったの2500円! 休憩時間を抜いたトータルの上演予定時間(9月2日公演初日現在)は昼の部が3時間45分、夜の部が3時間55分ですから、1時間当たりの料金は700円にも満たないことになります。映画の当日券が1800円であることを思えば、かなりお得だと思いませんか?

 その一方でお金はかかってもいいから優雅にゆったりと観劇したいというのであれば、座席まで食事のデリバリー(別料金)もしてくれるゴージャスな1階桟敷席もあります。とにかく好きな役者を間近に感じたい! というのであれば1階前方の1等席がいいでしょうし、作品として全体を鑑賞したいなら1等席の1階中央や2階前方がお勧め。花道での演技に特別な見どころのある作品ならば、花道すぐそばの1等席で味わえる臨場感は特別です。

 1年12カ月、毎月歌舞伎を上演している唯一の劇場である歌舞伎座なら、こんなふうに観劇の目的や懐具合に合わせていろんな楽しみ方ができるのです。席の等級別にその位置と特徴をもう少し具体的に記していきましょう。

 一番リッチな桟敷席があるのは、1階の両サイド。定員2名のコンパートメントにはそれぞれ独立したドアがついていて、履物を脱いで上がるというシステムです。座椅子に座布団の席ですが、テーブルの下が掘り炬燵のようになっているので正座の心配はご無用。舞台を横の方角から眺める形になりますが、椅子席より高い位置に設置されているのでストレス・レスの見晴らしのよさ。「前の席が大きな人だったらどうしよう!」などという心配も必要なければ、その逆で後方の人に気を遣うこともありません。

 客席数が最も多い1等席は1階と2階。1、2階それぞれの後方部分が2等席になります。座席環境やコストパフォーマンスなどもろもろの条件から、1階の2等席はさほど高価でもなく見やすいという点で評判がいいようです。

 椅子は1、2階席に比べると窮屈なものの、他の演劇と比較してもぐっとリーズナブルなのが3階席。花道の演技がよく見えないという難点はありますが、本舞台との距離に関してはスタジアムでのコンサートやイベントに慣れてしまうと、「意外に近い」というのが実感です。3階席はA席とB席に別れています。

 空席がある限り、ご紹介した席はすべて電話予約やインターネットで購入することができます。席の詳細にこだわるならオペレーターと直接話ができる電話予約を、手軽さという点ではインターネット利用をお勧めします。

 高い席は確かに高いけれどエコノミー設定もあってゴージャスにもカジュアルにもフレキシブルに楽しめるのが歌舞伎座の魅力。ご自身の趣味嗜好、諸条件と照らし合わせて自分なりの観劇スタイルを探してみてください。

傘

〈実践メモ〉

 歌舞伎座ではこの他に好きな幕だけを選んで見ることができる、当日売限定の自由席「一幕見席」(定員:90席のほかに立見60)があります。超人気の舞台に関しては何時間も前から長蛇の列となることや立見になる場合もあるので注意は必要ですが、基本的には時間とお金の節約という点でかなり魅力的なシステムです。

 「一幕見席」とはいうものの、完全に一幕ごとに区切っているのではなく、作品ごとの単価となっていることが多いようです。もちろん例外も多々あり、たとえば9月公演の場合は昼の部の最初の演目である11時開演の「車引(くるまびき)」と、11時40分開演の「引窓(ひきまど)」で800円という料金設定になっています。この逆で長い作品の場合は途中で区切ることもあります。

 9月公演の「車引」「引窓」以降の上演開始時間と料金は次の通りです。13時25分開演の「六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)」が600円、14時20分開演の「寺子屋(てらこや)」が1100円。16時30分開演の「菊畑(きくばたけ)」が800円、18時06分開演の「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」が1100円。20時16分開演の「鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)」が600円。(上演開始時間はあくまでも公演初日に設定された予定ですのでご注意ください)

 チケット発売開始予定時間はそれぞれ開演の10分〜30分前が目安です。

○座席案内
 歌舞伎座施設案内 http://www.kabuki-za.co.jp/shisetu/top.html

〈公演案内〉

 歌舞伎座の「秀山祭九月大歌舞伎」は明治、大正、昭和を生きた名優のひとり、初代中村吉右衛門の生誕120年を記念しての公演です。二代目としてその名跡を継いだ中村吉右衛門と、その実兄で初代の孫でもある松本幸四郎が、亡き名優の当り役に挑みます。初代ゆかりの作品として注目を集めているのは「引窓」「寺子屋」「菊畑」「籠釣瓶花街酔醒」。公演は9月26日まで。

 昼の部 「車引」「引窓」「六歌仙容彩」「寺子屋」

 夜の部 「菊畑」「籠釣瓶花街酔醒」「鬼揃紅葉狩」

 料金(税込み) 1等席:15000円、2等席:11000円、3階A席:4200円、3階B席:2500円 、1階桟敷席:17000円

○チケットの購入
 チケットホン松竹 03−5565−6000(10時〜18時)
 チケットWeb松竹 http://www1.ticket-web-shochiku.com/p/(24時間受付)

〈筆者紹介〉

清水まり(しみず・まり)  フリーランスライター。情報誌勤務を経てフリーに。エンタテインメントのジャンルを中心に原稿を執筆。歌舞伎関連記事は年々増える傾向にあり、役者インタビュー、芝居ゆかりの地めぐり、随筆などを各媒体に掲載。2004年版のぴあMOOK「歌舞伎ワンダーランド」では執筆の他に企画監修を担当。

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