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朝日いつかは名人会ガイド

朝日いつかは名人会とは
 東京・築地の浜離宮朝日ホール(小ホール)で06年4月から開催の「朝日いつかは名人会」は、落語界の未来を背負って立つ二つ目の若手を応援する会。年4回開催の予定で、毎回、若手真打ち1人がゲストになり、前座1人と二つ目2人を紹介します。落語をお楽しみいただくほか、彼らが本音を語り合うトークショーもあります。

顔ぶれ紹介

第3回公演(06年10月5日開催)

2006年09月20日

 朝日いつかは名人会・第3回は10月5日開催、今回のナビゲーターは二人目、ご存知柳家花緑(やなぎや・かろく)です。いつかは候補生は落語協会の二ツ目筆頭の五街道佐助(ごかいどう・さすけ)、そして三遊亭きん歌(さんゆうてい・きんか)。

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柳家花緑=横井洋司氏撮影

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五街道佐助=横井洋司氏撮影

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三遊亭きん歌=横井洋司氏撮影

 柳家花緑についてはあまり申し上げるまでもないか……と思うほどですが、まあ改めてひととおりおさらいしておきましょう。

 花緑さんは、2002年5月に亡くなった大御所・五代目柳家小さんの孫であり、また晩年の弟子の一人。9月に襲名したばかりの六代目柳家小さん(前名。三語楼)は叔父さんにして、だいぶ離れた先輩の兄弟子です。

 ベジャール舞踊団のバレエ・ダンサーとして“来日”したこともあるタレント小林十市さんは花緑さんのお兄さん。花緑さん自身、自分の会ではショパンやジャズを弾くピアニストで、“弾き語り”のCDも出しているほど。その多才さを買われて、数年来メディアの寵児となり、さらに芝居にTVドラマにと進出、一方ではNHKテレビの子ども番組「にほんごであそぼ」の「寿限無(じゅげむ)」の“お兄さん”になったり……。

 1971年生まれ。87年に祖父に入門して柳家九太郎。本名の小林鳩に因んだ命名。本名も“九”を踏まえた名付けでした(鳩も九も音読みはキュウ)。中学校卒業後すぐの入門でした。これは五代目小さんの意向で、芸はねるべく若いうちから習うべし、ということを実践したのです(明治大正あたりまでは「子ども落語家」が珍しくなかった。これについては、いずれコラムで触れましょう。能狂言や歌舞伎、邦舞、邦楽では、いまでも子ども時代からのプロ修業がふつうです)。

 89年に二ツ目になって柳家小緑(ころく)、94年に花緑で真打昇進。戦後では、故・古今亭志ん朝に次ぐ若い真打でした。スピード出世はスタートが早かったからでもあり、小さんの孫という話題性もあってのことでしょうが、それ以上に才能と力量と、スター性があったからこそなのです。

 二ツ目筆頭の五街道佐助は来春の真打昇進が決定しました。隅田川馬石(すみだがわ・ばせき)という珍しい名前を襲名するのだそうです。江戸時代にすでにある名前ですが、最近では……といっても80年以上も前のことですが、のちの五代目古今亭志ん生がほんの一時期、名乗っていたとか。その志ん生の長男・十代目金原亭馬生の弟子の五街道雲助の弟子が、この佐助=新・馬石師匠というスジがあります。

 端正でナイーブな芸風の新・馬石師匠がこれからどういう方向に大成していくか、とても楽しみです。ギャグやパフォーマンスでガンガン受けるタイプではなく、ソフトタッチの実力派、気はやさしくて力持ち。69年生まれ、93年、五街道雲助に入門して五街道わたし、97年、二ツ目になって佐助。

 対照的に三遊亭きん歌はオモシロ派、陽気でいま風、元気一杯の高座ぶり。72年の生まれ、97年に三遊亭圓歌に入門して三遊亭歌ご、2000年に二ツ目になって三遊亭きん歌。新・馬石師匠などの来春真打組とは10人分ほど離れたポジションですから、年功序列で考えればちょっと「師匠」と呼ばれる日までは時間がかかりそうですが、パッと人気が出ればバッテキがあるのは当然のこと。いよいよ芸人として勝負の時期に入ってきた、その高座ぶりに注目しましょう。

京須 偕充(きょうす・ともみつ) 落語プロデューサー
 1942年、東京生まれ。ソニー・ミュージック(旧CBS・ソニー)のプロデューサーとして、六代目三遊亭圓生の『圓生百席』や古今亭志ん朝の作品など、数多くの落語レコード、CDの制作を手がけてきた。
 有楽町で開かれている『朝日名人会』に加え、06年4月に浜離宮朝日ホールを舞台に始まる『朝日いつかは名人会』をプロデュースする。
 『落語博物誌』(弘文出版)、『落語名人会 夢の勢揃い』(文春新書)、『古典落語CDの名盤』(光文社新書)など、落語に関する著作も多い。
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