戦後60年の夏、テレビ各局はふだんの年にも増して様々な番組を送り出す。戦時中や戦後の「真実」をあぶり出すことを目指したドキュメンタリー。平和への思いを込めたドラマ、アニメ。戦争の記憶の風化も言われる中で、各局の制作者たちは「戦争を知らない若い世代に、ぜひ見てほしい」と話す。
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NHKは総合で8月6日から「NHKスペシャル」を集中編成する。6日は「被爆者 命の記録」。広島大学と協力し、被爆した人がどれほどの放射線を浴び、被爆していない人よりがん罹(り)患(かん)が多いか検証を試みた。
7日は、人類の核分裂反応発見からの70年間を描く「ZONE・核と人間」。8日は、パキスタンのカーン博士らを取材した「追跡 核の闇市場」(仮題)。
12日には、軍の圧力に屈せず象を守り通した動物園長の実話を描くドラマ「象列車がやってきた」を、親子向けに放送する。
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日本テレビ系の目玉は、8月2日のドラマ「二十四の瞳」。壷井栄の名作で、黒木瞳が主役の大石先生を演じる。これまでに映像化された作品に比べ、今回の大石先生は戦争への憤りを、はっきり口にする。教え子のひとりが出征したガダルカナル島の戦場の場面も盛り込んだ。
同系列の放送局が制作する「NNNドキュメント’05」(日曜深夜)でも、「シリーズ戦後60年・失われる戦争の痛み」として7月から秋までに7本放送する。
TBS系は、今も世界中で戦禍が繰り返される現実を見すえたドキュメンタリーとドラマをそろえた。
8月5日のドキュメンタリー「ヒロシマ」は、英国BBCとの共同制作。広島に落とされた原爆の開発秘話や威力を明らかにし、国家の意思と国民の位置づけを見つめて、核兵器が大量に存在する世界を考える。案内役は筑紫哲也と広島出身の俳優綾瀬はるか。
15日放送のスペシャルドラマ「覚悟」は、昨年、イラクで武装グループの凶弾に倒れたジャーナリスト橋田信介さんと妻の幸子さんの物語。出演は柳葉敏郎、財前直見ら。
フジテレビ系は、終戦から29年間、フィリピンの密林に潜伏していた小野田寛郎さんの半生をドラマ化する。8月13日のスペシャルドラマ「実録・小野田少尉 遅すぎた帰還」。主演は中村獅童。
ドラマ化にあたり、小野田さんから帰還当時の戦闘服や刀剣の説明を受けた。フィリピンや鹿児島県の奄美群島でロケを行い、ジャングルでの過酷なサバイバル生活を再現する。小野田さんは「どんなに苦しくても生き抜くことの大切さ、平和のありがたさが伝われば」とコメントしている。
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テレビ朝日系は、ドラマスペシャル「零のかなたへ〜THE WINDS OF GOD」を放送する。若手漫才コンビが太平洋戦争末期の特攻隊基地にタイムスリップ。「愛する人を守る」をテーマに人間愛を描く。88年に舞台で初演され、ロングラン公演を続けた作品のドラマ化で、放送日は未定。
系列各局が作るドキュメンタリーも「テレメンタリー」の枠で放送する。「戦場からの手帖(てちょう) 白球を追いたかった」「ヒロシマを最初に見た米兵」などがラインアップされている。また、野坂昭如原作のアニメ「ぼくの防空壕(ごう)」を8月13日に放送する。
テレビ東京系は今月18日、特別番組「聖断〜昭和天皇 終戦への軌跡〜」を放送する。ポツダム宣言から終戦までの20日間を描く再現ドラマに、記録映像や証言を織り込む。
この20日間に、広島、長崎に原爆が落とされ、ソ連が参戦。「終戦の決断がもっと早かったら、その後の世界がどうなっていたか。新たな視点から見たい」という。