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公演に向けてけいこする気象予報士たち=東京都港区で、高橋洋撮影 |
舞台上は全員、天気予報でおなじみのキャスターや気象予報士。そんな異色の演劇公演が5、6の両日にある。リーダー格の森田正光さん(55)の呼びかけで、放送局の壁も超え20人以上が猛げいこ中。題材も天気予報で、「予報士の使命感や、気象の知識を持つ大切さを伝えたい」と熱が入る。100万円ほどを見込む売り上げは全額、公演のきっかけになったスマトラ沖地震の被災者支援に寄付する。
この喜劇「あしたはあした」は、イベント集団「お天気や」の旗揚げ公演。会場は東京都港区赤坂2丁目のシアターVアカサカで、森田さんのほか、TBSアナウンサーの小林豊さん(40)、日本テレビ「ズームイン!!SUPER」キャスターの平井史生さん(40)らテレビやラジオで活躍する面々がこぞって出演する。
ラサール石井さんらとの交流で演劇に興味を持った森田さんの背中を押したのは、死者・行方不明者が20万人以上にのぼった昨年暮れのスマトラ沖地震。「津波の知識や情報があれば被害はずっと小さかった。気象の知識が命を救うことを伝え、情報を出す側の責任の重さも改めて考える場になればと思った」
経営合理化でリストラの危機に立つ地方テレビ局の気象予報士たちが、人命を優先して信念を貫く物語。関東大震災で大火災の高熱の中、47.3度の気温を測定した観測員の話や江戸時代の南海地震で津波から村人を救った「稲むらの火」など、気象にまつわる史実も盛り込んだ。
8月に始まったけいこはまさに佳境だが、予報士集団ならではの深い悩みも。早朝から深夜まで常に誰かが仕事を抱え、全員がそろうのは当日だけ。都合がついた顔ぶれで毎日少しずつ演技を合わせ、電話でせりふを言い合ったり、演技を撮ったビデオテープを交換したりと苦心している。
「仕事柄、同じ予報士でも局が違えば話をする機会は少なく、いい交流の場になっている」とTBSの小林さん。テレビ朝日に出演するキャスター松並健治さん(34)も「瞬発力で勝負する本業とは全く違う世界。覚えるのは大変だけど、おもしろい」と熱中する。森田さんは「何とか成功させ、2回、3回と続けたい」と意欲満々だ。
公演は5日午後7時、6日午後1時と午後6時の3回。前売り券は売り切れ、2500円の当日券が各回20席弱ある。問い合わせはフォーチュンスープ(03・5449・4022)へ。