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夢・現実 とかし合わせて 小雪

2005年11月18日

写真

時津剛撮影

 昭和33年の商店街を舞台にした「ALWAYS 三丁目の夕日」で演じた一杯飲み屋の女将(おかみ)ヒロミは、町のアイドル。すらりとした長身、抜群のプロポーション、憂いをたたえた瞳……。現代的なのだが、なぜか懐かしい不思議な存在なのだ。

 「その時代を生きてきた人に、こんな女性はいなかったと思われることを一番恐れた。でも、エンターテインメントはリアルさだけではだめ。夢がないと観客は入り込めない。夢とリアルさがうまく融合できればといつも思っています」。融合の結果がヒロミといえる。

 テレビドラマ、CMのみならず、スクリーンの世界でも着実にキャリアを積んできた。「ラストサムライ」(03年)で、トム・クルーズを相手に凜(りん)とした武家の女を好演。「嗤(わら)う伊右衛門」(04年)では、気丈な岩の鬼気迫る演技が評価された。

 しかし、経験は重視しないと断じる。「経験が積まれると、こういう時はこういう芝居となりがちですが、私は妥協したくない。監督がOKをしたとしても、自分で表現したいというものがあれば、納得がいくまでテークを重ねていく」

 もうすぐ29歳。仕事は製作過程が楽しいという。「スタッフとキャストが一丸となって作品をつくっていく現場の温度、情熱が好き」

 特に映画にこだわっている。「テレビドラマはキャラクターが最終的にどこに向かうのか分からないまま演じることがあるのです。どこに到達していくかがみえている映画の方が好き」

 数をこなすのではなく、脚本を読み込んで作品を選びたいという。「自分がインスパイアされる作品、人間の複雑な心理や今までと違う価値観、考え方を観客に訴えられる作品に出たい」

 小雪は本名。生まれた時に小雪が舞い、肌の色が雪のように白かった、などが名の由来という。名字をつけないのは「小さいころ、母が私の実印をつくる時に、『この子だけは名字を入れない方がいい』と言われたこともあって」。

 「ALWAYS」では、思いを寄せる貧しい主人公(吉岡秀隆)から、指輪の箱だけをプレゼントされ、見えない指輪をはめるシーンが秀逸だ。「見えないものの方が実は価値があるのかもしれません」

 では、俳優小雪にとっての「見えない指輪」とは?

 「演技の達成感かな。他人ではなく自分で判断した達成感」

 〈こゆき〉 76年神奈川生まれ。モデルを経て、98年テレビドラマ「恋はあせらず」で俳優デビュー。「ケイゾク/映画」「回路」「Laundry」「スパイ・ゾルゲ」などの映画に出演。「嗤う伊右衛門」で昨年の日刊スポーツ映画大賞主演女優賞受賞。


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