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映画「狩人と犬、最後の旅」 失われゆく自然描く

2006年08月02日

 北米ロッキー山脈の美しい自然の中に生きる猟師を描いた映画「狩人と犬、最後の旅」が12日に東京・銀座テアトルシネマなどで公開される。監督は、これが長編第1作となるフランスの冒険家ニコラス・バニエ。作品は失われゆく自然を描き、その危機を訴える。

 主人公は実在の猟師ノーマン・ウィンター。カナダの山中で動物を捕らえ、犬ぞりや馬、カヌーで移動する生活を送っている。電気も水道もなく、冬には厳しい寒さが訪れる。「自然の番人」を自負するが、自然破壊で動物が減り、森を去る決意をする。そんな時、1頭のシベリアンハスキーの子犬と出会い、その成長に希望を持ち、最後の猟師として踏みとどまることを決める。

 1年以上をかけて撮影されたロッキーの四季は美しいが、文明から切り離された暮らしは過酷なものに思える。だが、バニエ監督は3月にも犬ぞりでシベリア横断を成し遂げている冒険家の現役だ。インタビューの場になったホテルの窓から外を見て、「今のように窓からビルしか見えない状態の方がつらい」と笑う。「そこに生きる人間にとっては、寒さや猛獣の存在も、ありのままのものだ」

 映画では、犬ぞりに乗るウィンターが湖で氷の割れ目にはまったり、谷底へ落ちかけたりと、危険にさらされる場面が登場する。「これは私たち2人の実体験を元にしている。フィクションでも、ドキュメンタリーでもない」。そりをひく犬はバニエ監督のもので、指示をきちんと理解して演技したという。

 ウィンターのような猟師は、実際に姿を消しつつある。「原題の『ラスト・トラッパー(最後の狩人)』は、彼らの存在の証拠という意味もある」と話す。「自然が傷ついている現実を直視し、我々の自然に対する態度を変えなければならない」と訴える。

 公開は順次各地で。


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