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トリノ映画祭GPに日本映画 自主制作、9年かけて完成

2005年11月24日

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トリノ映画祭でグランプリを受賞した坪川拓史さん=パリで

 9年がかりで完成した日本の自主制作映画が、イタリアの第23回トリノ映画祭でグランプリを受賞した。受賞作は坪川拓史監督(33)の「美式天然(うつくしきてんねん)」(95分)。脚本に納得した吉田日出子、小松政夫、常田富士男ら芸達者がスケジュールの空きを使って協力した。

 新人発掘の場とされるコンペ部門で、14本の出品作からスロベニア人監督と同時受賞した。

 作品は今年夏に完成。地方都市の古びた映画館を舞台に、昭和初期と現代の二つの物語が1本の無声映画とフィルム運びの少年を軸に展開する。故郷、北海道長万部町にあった古い映画館「長万部劇場」の取り壊しが制作の動機だった。

 96年秋に制作入り。資金不足で撮影に6年、編集などに3年近くかかった。「ムーミンパパの声」で知られた主演の高木均は04年2月、完成を待たず78歳で亡くなった。

 「高木さんには新宿で偶然道を聞かれ、その場で出演を頼んだ。電話で交わした最後の言葉は『早くしないと、おれ死んじゃうぞ』でした」

 19日の授賞式。映画祭会場となったホールも偶然、解体直前だった。坪川さんは「この劇場が私を呼び寄せてくれたのでしょう」とステージにキスをし、喝采を浴びた。

 日本への帰途、パリに立ち寄った坪川さんは「出演料なしで協力してくれた俳優さんたちに、少し恩返しができました」と喜びを語った。

 日本では青森市などで小さな試写会はあったが、劇場公開は未定だ。


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