
山ごぼうの味噌漬け
藤沢作品には、数多くの庄内の食べ物が出てくる。『三屋清左衛門残日録』「立会い人」の料理屋涌井の場面では、お膳らしい形式が登場する。このお膳の上には、メリハリのある料理が並ぶ。
季節は5月だろう。筍と山菜、海のものは小鯛。この季節の庄内の典型的な料理だ。主は小鯛の塩焼きと筍の味噌汁、副は山菜の和え物と山ごぼうの味噌漬けである。この漬物は、なかなか存在感がある。カリッとした独特の歯触り、噛めば噛むほど歯ごたえがあり、風味が増してくる。
山菜としては、春から秋に採取する。栽培ものは秋の収穫になる。この山ごぼう、じつはごぼうの仲間ではなく、アザミの根っこなのだ。キク科アザミ属のモリアザミである。ただ、ごぼうに似てアクが強く、料理のいい脇役を演じてくれる。
山ごぼうは、野にんじんときんぴらにして食べてもおいしい。油で炒めることでアクが抜けるが、山の香りはそのままに、新鮮で強烈な一品だ。(石塚亮)
写真 染谷 學 |
(材料)
山ごぼう 200グラム
塩 適宜
漬け床 (赤味噌 200グラム・醤油 10cc・みりん 15cc)
(作り方)
(1)山ごぼうは、1〜2日水に浸してアクを抜く。
(2)天日に1日干した後、塩をまぶして2日間下漬けをする。
(3)半日塩出しして漬け床に漬けこむ。2週間ほどで食べられる。