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藤沢周平の世界

風の果て

作品の舞台を訪ねる

山形県鶴岡市

 藤沢周平の故郷・山形県鶴岡市を中心とする庄内地方は、「海坂もの」と呼ばれる藤沢文学の舞台のモデルと言われる。『風の果て』も、はっきりと「海坂藩」と書かれているわけではないが、小説中に描かれていることが、実際の庄内地方の地理や歴史を彷彿とさせる。大櫛山、太蔵が原の舞台などスケールの大きな風景を楽しむと同時に、庄内藩の歴史を知ることで、さらに小説を深く味わいたい。

写真天保堰
写真龍澤山善寳寺

天保堰
 「太蔵が原」に水を引く堰を彷彿とさせる天保堰は、天保8年(1837)に大館藤兵衛元貞によって開削された。藤兵衛は、月山山麓の黒川地区の新田開発のために田沢川から水を引こうとした。その田沢川の水量不足を補うために、金剛山川の水を田沢川に落とす方法を発見する。工事は困難を極めたが、約10キロに及ぶ堰が完成した。現在も天保堰は月山山麓の田地を潤し続けている。

龍澤山善寳寺
 海の守護龍神様のお寺として特に漁業関係者の信者を多くもつ寺院。市之丞が隠れているのではないか、と又左衛門が疑った「海穏寺」を彷彿とさせる。この寺院の起源は古く、平安時代にまで遡る。五重塔や龍王殿など壮大な伽藍が美しい。藤沢周平の『龍を見た男』にも登場する。

2007年01月11日

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