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週刊人間国宝

工芸技術 染織(11)

各地の絹織物

内山武夫 前京都国立近代美術館長

 唐組(からくみ)は奈良時代に中国から渡来したといわれる平組(ひらぐみ)の組紐(くみひも)技法で、平安時代以後、天皇以下文武の官が朝廷の公事(くじ)に着用する束帯(そくたい)の着装時に、腰に太刀(たち)を佩(は)くための飾紐(かざりひも)として用いられるものをいう。色染(いろぞめ)した約300本の絹糸を使い、一本の経糸(たていと)に他の2本の経糸を絡(から)み合わせて帯状に組み上げ、菱形文(ひしがたもん)を表すのが基本である。今日では唐組の需要は減っているが、皇室の御料(ごりょう)「や、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)に当たって新調される平緒(ひらお)には欠かせぬ重要な伝統技術である。 [全文を読む]

深見重助/甲田栄佑/甲田綏郎/小川善三郎/小川規三郎/古賀フミ

もっと知るために

写真【伝統を学ぶ】

 開講して27年。 宮田(みやた)わかば先生の講座「井上佐賀錦(いのうえさがにしき)」は、第1期生から初心者までが入り交じって学んでいる。 [全文を読む]

写真【資料館・博物館・美術館・本・買う】

【資料館】
安達くみひも館  歴史的な組紐(くみひも)の復元や道具、文献など、組紐に関する様々な資料を展示している。 深見重助の作品や愛用した組台なども数多く収蔵・展示。 [全文を読む]

今週の人間国宝名鑑

◆深見重助(ふかみ・じゅうすけ)

1956年認定 1885.3.16−1974.2.19

江戸時代初期からの有職糸組師の生家で、10歳の時から父について、組紐の一種である唐組の技術を修業。三百数十本の色糸を交錯して組んでいく技術で、伊勢神宮遷宮の御神宝の平緒や「平家納経」の巻緒などを制作した。

◆甲田栄佑(こうだ・えいすけ)

1956年認定 1902.7.10−1970.1.17

絹袴地である仙台平の製織を業とした家に育つ。東京府立八王子織染工業学校専門科を卒業後、父・陸三郎らについて伝統技法を習得。1923年甲田機業場を継ぎ、緯糸に撚りのない生糸を濡らして強く打ち込む技法を伝承。

◆甲田綏郎(こうだ・よしお)

2002年認定 1929.1.4−

早くから父・甲田栄佑に師事、厳しい指導のもとで伝統的な精好仙台平の制作技法を学ぶ。1970年父の死去で家業を継ぐ。製織ばかりでなく、生糸の選定、木灰を用いた精練、植物染料による糸の染色など、一連の工程を手がける。

◆小川善三郎(おがわ・ぜんざぶろう)

1971年認定 1900.7.15−1983.1.14

生家は帯地に多く使われる博多織を業とする。尋常小学校卒業後、市内の工場の住み込み弟子に、のち阿部萬次郎の工場職人として阿部の指導で技術を習得。1952年に独立。高機による伝統的技法で制作をつづけた。

◆小川規三郎(おがわ・きさぶろう)

2003年認定 1936.11.30−

早くから父・善三郎のもとで、伝統的な手織りの博多織の制作技法を学び、1983年に家業を継ぐ。江戸時代に黒田藩から献上された「五色献上」などの技法の復元に取り組むほか、華やかな色調の博多織にも挑戦する。

◆古賀フミ(こが・ふみ)

1994年認定 1927.2.3−

佐賀市生まれ。幼少より曾祖母と母から佐賀錦の伝統技法を学ぶ。佐賀高等女学校卒業後、1966年上京して、染織作家として独立。織台に和紙を細く裁断した経紙を張り、竹篦で経紙を拾いながら絹の緯糸を通して錦模様を制作。

2007年06月19日

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