- ◆八代岩野市兵衛(いわの・いちべえ)
1968年認定 1901.9.14−1976.10.7
代々越前奉書を漉き伝える家に生まれ、早くから父のもとで楮紙を漉いた。東京の木版画家吉田博らと浮世絵木版画を研究し、数百回の刷りに耐える強靱でみごとな地合の奉書紙を完成させた。1941年八代を襲名。
- ◆九代岩野市兵衛(いわの・いちべえ)
2000年認定 1933.9.28−
父・八代岩野市兵衛と伯父・岩野正男に師事して、伝統的な越前奉書の制作技法を学ぶ。手打ちによる入念な楮原料処理、白土の添加、時間をかけたゆるやかな抄紙、板干しによる自然乾燥など、技術の錬磨に励む。1978年九代を襲名。
- ◆安部榮四郎(あべ・えいしろう)
1968年認定 1902.1.14−1984.12.18
島根県八雲村生まれ。早くから家業の紙の製造にたずさわるが、飽きたらず島根県工業試験場に通うなどして、1931年出雲地方に自生する雁皮で光沢のある力強い雁皮紙を漉き、柳宗悦に推賞される。雁皮紙を中心に出雲民芸紙を創出した。
- ◆濱田幸雄(はまだ・さぢお)
2001年認定 1931.2.17−
父・秋吾より伝統的な土佐典具帖紙の制作技法を学び、1949年独立。土佐典具帖紙は「カゲロウの羽」と称せられるほど薄く、美しい紙で、楮の繊維を素早く漉いて、強く絡み合わせるので、水にぬらしても破けない強さをもつ。
- ◆谷野剛惟(たにの・たけのぶ)
2002年認定 1935.3.26−
兵庫県西宮市名塩生まれ。父・谷野徳太郎より名塩雁皮紙の伝統的な制作技法を学ぶ。襖紙や壁紙、とりわけ書画用紙に使われる生漉間似合紙や、銀箔の圧延に使われる銀箔打紙を制作。用具の竹簀も自ら製作する。
- ◆保持団体 本美濃紙保存会(ほんみのしほぞんかい)
1969年指定 1976年認定
美濃地方に伝承された高級障子紙で、現在は茨城県産の那須楮を原料に、縦ゆり、横ゆりをともなった紙漉操作により、繊維がむらなく整然と美しく漉きあげられる。岐阜県美濃市蕨生地区に住む4名の会員が伝統的制作技法を伝承。
- ◆保持団体 石州半紙技術者会(せきしゅうばんしぎじゅつしゃかい)
1969年指定 1976年認定
島根県浜田市三隅町に伝承されている伝統的な製紙技術。江戸時代に津和野、浜田両藩が農民に製紙を奨励、漉かれた紙が石州半紙と呼ばれた。地元で栽培する楮を用いたきわめて強靱な楮紙で、光沢のある未晒色の紙色をもつ。
- ◆保持団体 細川紙技術者協会(ほそかわしぎじゅつしゃきょうかい)
1978年指定・認定
江戸時代に和歌山県の細川村で漉かれた細川奉書を、大消費地江戸に近い武州などで漉いたもの。現在は、土佐楮を原料に、埼玉県小川町・秩父郡東秩父村に住む専業の製紙家によって伝承されている。現在は和本用紙など幅広く使用。