金子賢治 東京国立近代美術館工芸課長
青磁(せいじ)は文字通り青磁釉(ゆう)のかかったやきものであるが、青磁釉は灰釉(かいゆう)が高度に発展したもので、灰の中にあるわずかな鉄分が高温の還元焼成(かんげんしょうせい)によって緑色を呈するものである。さらにカリ長石(ちょうせき)を用いると深青色の青磁釉を得ることができる。青磁が頂点を極めたのが中国・宋(そう)代の汝官窯(じょうかんよう)や郊壇(こうだん)窯などの官窯や、唐(とう)代からの龍泉(りゅうせん)窯で製造されたものといわれ、さらに龍泉窯で製造された端麗な青色に特色のある青磁を、わが国で「最良」を意味する言葉として砧(きぬた)青磁と称する。朝鮮では11世紀の高麗(こうらい)時代、中国の青磁を母体として翡色(ひしょく)青磁を完成させ、さらに赤土(あかつち)、白土(しろつち)を象嵌(ぞうがん)した象嵌青磁を始めた。日本には9世紀後半に伝わったが、灰釉の段階にとどまり、17世紀前半、伊万里においてようやく本格的に製造されるようになった。
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