
【伝統を学ぶ】

『五條橋』から。

『新版歌祭文』「野崎村の段」から。


「三味線」や「太夫」の台本「床本」について解説する若手技芸員たち。

文楽鑑賞教室のパンフレット
1984年(昭和59)から国立文楽劇場で行われている「文楽鑑賞教室」は、毎年6月に開催される特別公演だ。この日、客席はふだん見かけない中・高校生や若いカップル、オタクっぽい青年など、バラエティーに富む客でにぎわっていた。
最初の演目は、牛若丸と弁慶の出会いを描いた『五條橋(ごじょうばし)』。ポピュラーな話だが、太夫(たゆう)の語りを聞き取れるか、開演前に少し心配だった。しかし、語りが舞台上部に字幕で映し出されたのでひと安心。言葉が分かると、理解度も増す。企画制作課の吉矢正之(よしやまさゆき)さんによると、字幕は2002年(平成14)に採用され、本公演でも05年から実施されているそうだ。
続いては解説「文楽へようこそ」。若手技芸員が順次舞台に登場し、義太夫節(ぎだゆうぶし)、三味線、人形遣いの技法や種類、歴史などを次々紹介していく。義太夫節は発祥の地である大阪ことばでつくられているので、三味線の旋律も、大阪ことばのアクセントや抑揚であるとか、三味線を携帯電話になぞらえて、義太夫節はメール文で、三味線はメールに添える絵文字や顔文字にあたるという説明など、なるほどと納得することばかりだ。観客が人形を遣える体験コーナーもある。三者三様の解説はすべてテンポもよく、お笑い芸人顔負けのギャグやジョークがちりばめられていて、若い観客にも大いに受けていた。
中入り後は油屋の娘・お染(そめ)と奉公人・久松(ひさまつ)の許されぬ恋の物語『新版歌祭文(しんばんうたざいもん)』「野崎村の段」を上演。文楽鑑賞初心者も少しなじんできたせいか、盛り上がる終盤には、身を乗り出す姿がチラホラ見られた。
入場時、「野崎村の段」のストーリーマンガや、マンガで見る文楽の基礎知識などが掲載されている解説パンフレットがもらえるので、開演前に目を通しておくと、一層興味深く鑑賞できるだろう。
●文楽鑑賞教室
国立文楽劇場
問い合わせ先
「文楽鑑賞教室」は、国立文楽劇場(06−212−2531)で毎年6月に開催されます。〒542−0073 大阪市中央区日本橋1−12−10
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