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週刊人間国宝

もっと知るために

【伝統を学ぶ】

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写真鉋と鑿を使いこなせるようになれば、作品の幅も広がる。
写真直角の精度が指物作りを左右する。
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 講座が始まると、鉋(かんな)の刃を調整するためのトンカチでカンカン打つ音があちこちから響いてきた。やがて、シュッシュッと鉋で木を削る音が聞こえ始める。

 「鉋をいかにうまく使って板を作るかが指物(さしのも)のポイント」

 と講師の福山聖海(ふくやま・せいかい)先生は話す。

 指物とは、箱物、引き出しといった小家具類のこと。物差しを多用することから付いた呼び名だ。直角の精度など、寸法が大切で、そのために木工道具の仕立て方と使い方を覚える必要がある。

 この日も板の端を鉋で削っていた男性がSOSを発信した。福山先生は鉋の刃に問題があると、すぐに研(と)ぎ方を指導。体重を前後に移動させるようにして「体で押す」コツを伝授した。刃の調整に成功した男性が、その後、生き生きと削り始めた姿を見ると、道具の重要性がよくわかる。

 道具を調整し、板を作った後は、あらかじめ描いておいたスケッチやイメージに合わせて線を描き(墨入れ)、鋸(のこぎり)や鑿(のみ)で刻む。その後、接着剤で組み合わせ、鉋で仕上げた後、サンドペーパーをかけ、最後にオイルや漆(うるし)を塗って完成だ。

 この日、柿渋(かきしぶ)を仕上げに塗っている受講生がいた。福山先生が「柿渋は水に強く、昔は漁網に塗っていた」と説明を始めると、それまで黙々と作業をしていた受講生たちが手を止めて集まってきた。ちょうどみんなひと休みしたい時間帯だったようだ。

 引き出し作りに挑戦していた男性は「定年後にできることを、と思って1年前から始めました。引き出しは微妙な誤差でも、うまく入らないので難しい」とタオルで汗を拭きながら話す。

 指物は自然素材を扱うことも魅力の一つ。「世界に誇れる大切なエコ技術。二つと同じ物がない木目の美しさを味わってほしい」と福山先生は話していた。

●指し物入門
朝日カルチャーセンター東京
問い合わせ先
福山聖海先生の講座「指し物入門」は、朝日カルチャーセンター東京(03−3344−1941)で受講できます。〒163−0204 東京都新宿区西新宿2−6−1新宿住友ビル4F

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2007年05月15日

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