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週刊人間国宝

もっと知るために

【伝統を学ぶ】

写真鉄鋏で銅板をカット。
写真教室中に金属を叩く音が響き渡る。
写真鈍した銅板を金鎚で叩き成形していく。
写真  

 カンカンッという乾いた音が教室中に響いている。受講生が銅板を叩(たた)く音だ。

 あらかじめバーナーの火で鈍(なま)した銅板を当金(あてがね)に当て、金鎚で叩きながら成形していく。鍛金のわざとしては、古くから伝わる「絞り技法」である。

 朝日カルチャーセンター東京の「鍛金・彫金」教室では、この絞り技法を初歩から教える。講師の相武常雄(あいむ・つねお)先生は「はじめての人でも浅い皿なら2、3時間で作ることができます。まずは絞りの面白さを体験してもらい、その後、少しずつ難しい作品に挑戦していきます」と話す。

 たとえば、鍋やスプーン、また筒状の花瓶(かびん)、素材も銅ばかりではなく真鍮や銀も用いる。複雑な形状や素材ごとの特徴に慣れれば、あとは各自の自由。最終的には個性豊かな工芸美術の創作が目指される。

 受講生には玄人はだしの技量をもった人も多く、毎回県展や日本伝統工芸展に出品する実力者もいる。

 一枚の金属板から作られたものとは到底思えないほど複雑で精妙なその造形力に、ただただ驚かされるのだ。

 作品ができるまでの工程を簡単に説明すると、まず金属板を鉄鋏(てつばさみ)で切り、バーナーであぶって軟らかく、つまり焼き鈍して、希硫酸(きりゅうさん)にしばらく浸(つ)ける。そして当金に金属板を当て金鎚で叩く絞り加工を行い、思い描く形状に仕上げていく。

 ちなみに絞っては鈍し、鈍しては絞ることを何度も繰り返すことで素材は硬度を増し、望み通りの厚みを得ることができる。鉄鋏や当金、金鎚などの形も一様ではなく、そうした道具の扱いを覚えるのも絞り技法の醍醐味(だいごみ)といえるだろう。

 形状が仕上がれば表面を磨き、緑青(ろくしょう)液などで着色も施す。受講生の一人は「入り口は簡単でも、奥が深い。そこに魅入られます」と言う。まさに伝統の魅力である。

●鍛金・彫金
朝日カルチャーセンター東京
問い合わせ先
相武常雄先生の講座「鍛金・彫金」は、朝日カルチャーセンター東京(03−3344−1947)で受講できます。〒163−0204 東京都新宿区西新宿2−6−1 新宿住友ビル4F

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2007年07月10日

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