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週刊人間国宝

もっと知るために

【伝統を学ぶ】

写真  
写真様々な世代の人が参加する教室。
写真漆の面に沈金鑿で文様を彫る。
写真彫り込んだ点や線に色漆を塗り込む。
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 漆黒(しっこく)の世界に彫り込んでいく点と線。彫り込まれた溝に漆(うるし)を塗り、金箔(きんぱく)や金粉(きんぷん)を埋め込んでいく。色使いや彫りの重ね方で暈した雰囲気や奥行きが醸(かも)し出される。沈金(ちんきん)は繊細な透明感が魅力的だ。

 彫りのすべてを6種類の沈金鑿(のみ)でこなす。研ぎ方を変えることで約百種類もの刃先を作り、それで彫り分けていく。まずは沈金鑿の操り方が第一歩になる。

 「この線は右のほうへ膨れている。反対側が膨れるように持っていってみて」「先端をもう少し起こして」「その運びでいい。直線で押し上げたでしょ。それでいいんです」

 講師の宮井健吾(みやい・けんご)先生は受講生の動作を見ては丁寧に手ほどきしていく。並行して開催される一日教室で学ぶと、3時間ほどで小作品を持ち帰ることができる。松や桜の文様を多様皿に入れていた小学校4年生の3人は、仕上げ時に目を輝かせた。

 「さあ、金が入ります。緊張の一瞬だね。この緊張が自慢に変わりますよ」

 宮井先生の手で金粉が施される。誰からともなく感動の拍手が巻き起こった。

 沈金は漆の技法の一つだけに、他の技法を覚えてから受講という人も少なくない。

 「鎌倉彫(かまくらぼり)を趣味にしていますが、刃先がまったく違う。沈金は表面だけを削り剥(は)いでいく。それが難しいんです」

 開講して18年、長年通う受講生が宮井先生に求めるレベルも上がってきている。

 「簡単には満足してくれないので、見本作りは僕の勉強です。教室は見本に忠実に制作するのが原則ですが、上級の方は図案を考えて自分の表現で作ろうとする姿勢が生まれています。生徒さんが殻を突き破ろうとするときは予兆があるので、そういうときは助言を控えて見守ったりもします」

 宮井先生は、恩師の三谷吾一(みたに・ごいち)氏(日本芸術院会員)の励ましと本講座を指導することで自らも成長したと語る。

●沈金
輪島塗沈金教室
全国伝統的工芸品センター
問い合わせ先
輪島漆器商工業協同組合主催の講座「輪島塗沈金教室」は、全国伝統的工芸品センター(103−5954−6066)で受講できます。〒171−0021 東京都豊島区西池袋1−11−1

*掲載したデータは、変更されている場合もありますので、直接ご確認ください。
*本・ビデオ・DVDの値段は、本体価格です。
*本は、図書館や古書店を利用する場合のために、品切れや絶版のものも紹介しています。

2007年07月17日

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