現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>週刊人間国宝> もっと知るために

週刊人間国宝

もっと知るために

【伝統を学ぶ】

写真  
写真バーナーを使って熱する。
写真彫金に取り組む受講生たち。
写真  
写真ひたすら叩き、形を整えていく。
写真  

 鋳物(いもの)など金属加工の町として知られる埼玉県川口(かわぐち)市。ここに「川口 彫(ちょう)、鍛金(たんきん)教室」がある。発足したのは、20年ほど前の1986年(昭和61)。以来、金属工芸の第一線で活躍する様々な講師陣に恵まれ、今日まで引き継がれてきた。

 現在、講師を務めるのは造形作家の原口美喜麿(はらぐち・みきまろ)さんだ。これまで、現代美術の世界で先進的な作品を数多く発表してきただけに、原口さんが強調するのは「技術より美意識の大切さ」である。

 確かに、「モノづくり」に技術の習得は欠かせない。しかし、それだけでは「宝の持ち腐(ぐさ)れ」になってしまいかねない。

 どのような作品を作りたいのか、それによって何を表現したいのか、そのためにはどのような技術が必要なのか……。

 あくまでも「表現」を軸にしたほうが「かえって彫金、鍛金の面白さ、深さに触れることができるはず」と原口さんは語る。

 また、金属工芸は、自然の成りゆきに任せるという工程がほとんどなく、最初から最後まで自らの手で切り、鈍(なま)し、叩(たた)きながら作り上げていく。

 だからこそ作る人の美意識がそのまま作品に反映される。いうなれば金属工芸とは作り手の意志の結晶なのだ。

 そうした方針のゆえだろうか、受講生の誰もが自由な発想で作品作りに取り組んでいる。鍋(なべ)や花器(かき)もあれば、時計や照明、オブジェまで、作品の一つひとつに作り手の表現に対するこだわりや個性が光っている。

 受講生の一人は「彫金、鍛金の技術を学びながら作りたいものを自由に創作できるところがこの教室の魅力です」と言う。

 場所は、川口産業文化会館2階。教室として長い歴史があるだけに、受講生はベテランが多く、彫金や鍛金に必要な工具、道具などの設備類も驚くほど整っている。もちろん初心者大歓迎だそうである。

●彫、鍛金
川口 彫、鍛金教室
問い合わせ先
原口美喜麿先生の講座「彫、鍛金」は、川口産業文化会館2F(〒333−0845 埼玉県川口市上青木西1−20−3)の川口 彫、鍛金教室で受講できます。問い合わせは、須賀(1048−296−2302)へ。

*掲載したデータは、変更されている場合もありますので、直接ご確認ください。
*本・ビデオ・DVDの値段は、本体価格です。
*本は、図書館や古書店を利用する場合のために、品切れや絶版のものも紹介しています。

2007年08月21日

PR情報

このページのトップに戻る