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素地の補強や保護のため椀の底に布着せをする。 |
盆に蒔絵を施す。 |
和気藹々とした雰囲気が教室に漂う。 |
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美術や漆(うるし)に関する本がずらりと並ぶ、静かな一室が漆芸(しつげい)家・室瀬和美(むろせ・かずみ)先生の教室だ。長方形のテーブルを囲んで、ひと月前から習い始めた若者や、30年も通う主婦など、様々な世代がいる。全席がふさがっても八人ほど。シュシュシュ……と、研炭(とぎずみ)や砥石(といし)で研(と)ぎ出す音が室内に響くような、少人数で指導が受けられる環境だ。
初心者はまず、お椀(わん)と手板(ていた)を手がける。
「お椀が基本で、卒業もお椀というくらいです。平らなものと曲線のもの。それができたら大抵のものはできるんです。手板は加飾(かしょく)の練習台として使えますから」
穏やかに話す室瀬先生だが、かつては厳しい人という印象をもたれていた。
「同じ失敗を繰り返さないように厳しく教え込まれましたから、毎回とても緊張しました。だから、来る前にはメモを何回も読んだものでした。道具にする木篦(きべら)も、塗師刀(ぬしとう)や鉋(かんな)を使って自分で作らされたんです。慣れないことだらけでした。でも、『やりたい』と言えば、一度に5枚の盆(ぼん)を塗らせてもらったこともあった。今はずいぶん優しくなりました」
とベテランの受講生が語るほど、かつてはプロ志望の人と趣味の領域にいる人との区別をつけずに指導した。厳しい半面、自由も尊重した。蒔絵(まきえ)の指導にテキストはなく、図案から技法まで受講生の意向を聞きながら決めていく。それは現在もそうだ。
月2回の受講で作品を仕上げていく。数年がかりの作品も珍しくはない。
「生徒さんには一人ひとり個性があるので、手を入れる場合もあれば、なにもしないで言葉だけで理解させることもあります」と室瀬先生。重視するのは「作り上げる楽しみ」だそうだ。
受講生の中には、プロを目指す若者もいる。彼らと共に学んで、技法の奥深さにさらに近づく。贅沢な教室である。
●蒔絵
目白漆芸文化財研究所
問い合わせ先
室瀬和美先生の講座「蒔絵」は、目白漆芸文化財研究所(03−3954−1815)で受講できます。〒161−0033 東京都新宿区下落合4−23−5
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2007年10月02日