現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>漫画偏愛主義> 記事 ヨメトレ!(新條まゆ)2007年12月21日
タイトルは「嫁にいくためのトレーニング」の略。その名の通り、34歳少女漫画家の花嫁修業エッセー漫画である。エッチ系少女漫画で人気を博している新篠なので、正直言ってこれまで私にはなじみがなかった。ただ、超人気作家の生活が知りたくて手に取った。読んでがくぜん、「人間の生活じゃあない……」。ラブラブな漫画を描くのとは裏腹に、なんて男らしい私生活なんだろうか。やはりどんな仕事においても、第一線で活躍するには「骨身を削る」必要があるんだな、と実感させられた次第である。 新篠の代表作はビジュアル系バンドのボーカリストと女子高生の恋「快感・フレーズ」など多数あり、恋愛至上主義の現代少女のあこがれを具現化したような漫画を描いてきている。しかし、それを描く漫画家の生活はというと、睡眠は一日約3時間。コンビニに行ったのは3カ月前で、ベッドで寝たのは半年前。「というのが日常です」ときた日には、びっくりするより「死なないのかよ!?」と心配になってくる。 夢を切り売りして得た代価はでかく、仕事場のマンションは家賃月100万円をくだらないが、その部屋もストレス解消のためのネットショッピングの品々で埋め尽くされているという。そして、すれ違う人も含め出会う男性といったら「1カ月に、ふ、2人?」。それじゃあ、確かに結婚したいとせっぱ詰まるのも無理はない。冒頭のエッセーにある占いのエピソードがおもしろい。「恋人は天から降ってくるプレゼントじゃないのよ」と占師にいわれ、「そう、努力もしないでいい仕事なんかとれない。それと一緒で、努力もしないでいい出会いなんかない」と納得する新篠。何でも仕事で例えると、とたんにその意味が分かってしまうあたり、もう共感というか共鳴というか。そんなことじゃダメなのよ、新篠! とはいえ本書の中身はメード喫茶でメードになるとか、長崎のハウステンボスであげる結婚式の見積もりをとるとか(ちなみにその額3000万円を超えている)、本来の花嫁修業からかけ離れている。そのところは「ちゃんと本気で嫁に行きたい?」とつっこみたくなるのだが、まあご愛敬か。しかし、一番驚くのは、34歳に見えない新篠のその美貌。というよりもオタクに受けそうなロリータ顔? そしてスタイルもいいのだ。やっぱり睡眠時間が短いと、運動してなくてもやせるものなの? 関係ないが、私が今年一番驚いたニュースは、伊藤理佐と吉田戦車のバツイチ同士結婚であった。新篠も電撃的に結婚できることを他人事ながら祈っている。馬車馬のように働く男性漫画家は普通に結婚できるのに、馬車馬のように働く女性はなかなか結婚できない、この現実を打ち破る手本となって欲しいと本気で願っているのだ。 プロフィール
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