〈カンヌ映画祭から〉話題作の「ダ・ヴィンチ」不評
2006年05月23日
ベストセラーのサスペンス小説を映画化した「ダ・ヴィンチ・コード」がフランス・カンヌ国際映画祭の17日の開幕を飾り、続いて昨週末に世界各地で公開が始まった。キリスト教の根幹にふれる個所があり、これを「侮辱」とみる宗教団体が、一部で映画の上映禁止やボイコットを働きかけている。
 「ダ・ヴィンチ・コード」の上映後に会見するロン・ハワード監督(左)とトム・ハンクス=カンヌで
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その渦中の人々がカンヌにそろった。会見したロン・ハワード監督は「議論を呼ぶのは楽しみだし、見る側をチャレンジさせる、大胆な映画が好きなんだ。娯楽たっぷり、時におかしい、夏のエンターテインメントにしたかった」。
主演トム・ハンクスは「自分の罪や、宇宙における自分の位置、神の心を再認識する作品だ。でも、あくまでフィクションで娯楽映画。解釈を押し付けるものではない」と語った。
世界の映画ジャーナリストが集まるカンヌでの、この作品の評価は芳しいとは言えない。プレス試写では、ハンクスの演技や語りが過剰と受け止められたようで、再三の忍び笑いや、ひやかしの口笛が聞かれ、終了後の拍手も無かった。
あるフランスの映画誌記者は「キリスト教の重大事を、誰が見てもトム・ハンクスにしか見えない人物が口にする。深遠な事柄を無理やりハリウッドの鋳型にはめ込んでいる」などと語った。
ヒロインのソフィーは地元フランスの俳優オドレイ・トトゥ。映画は彼女の周辺の設定を多少脚色したほかは、ほぼ原作どおり。
謎解きに胸躍らす作品なのに、映画ならではの驚きがなく、当て外れの気分になった――。カナダの放送記者は、そんなふうに説明し、「米国らしく、巨大で華麗。でも中身はグッドとバッドの中間だ」。
ニース在住の男性は開幕の公式上映を見て、「終わった後の拍手は温かだった。だが、上映中の雰囲気は、ミステリアスだったな」と話していた。
とはいえ、話題性抜群なのは確かだ。観客は押し寄せ、公式上映は急きょ会場を増設した。有力フリーペーパー「メトロ」は、映画祭特別紙を日々配るのだが、そこでは見開きで特集。話題を呼ぶ理由を(1)原作を読むのが大変な人にもってこい(2)スクリーンでルーブル美術館を堪能できる(3)力に飢えて戦争や破滅をもたらした男たちに、フェミニズムのマニフェストを示した、などと書いている。
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