「人生を楽しむことが大切」CGアニメのラセター監督が語る
2006年07月04日
「ファインディング・ニモ」「モンスターズ・インク」などの多くのCGアニメをヒットさせてきたピクサーの新作「カーズ」が公開中だ。車だけの世界を舞台に、「自分が世界一」とうぬぼれるレーシングカーが、田舎町で友情の大切さを知る。86年の創設からピクサーを率いてきたジョン・ラセター監督は「これは僕の個人的な物語なんだ」と話す。
 ジョン・ラセター監督=東京都内で
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自ら監督するのは99年の「トイ・ストーリー2」以来。翌夏の休暇が「カーズ」の発端となった。
「それまで何年も仕事漬けで、家族との時間が持てなかった。キャンピングカーで2カ月、行く先を決めずに旅をした。そして、がむしゃらにゴールを目指すよりも、人生を楽しむことが大切だ、と学んだんだ」
レース界の新星マックィーンは、総合優勝を目の前にして、さびれた田舎町で足止めされる。ポルシェの美女サリーやオンボロレッカー車のメーターらと、のんびりした日々を過ごすうちに、自分勝手だったマックィーンに変化が訪れる。
鏡のように滑らかな車体に、周りの風景が映り込む映像が美しい。「車は僕らが毎日見ているもの。リアルでなければ観客が違和感を抱く」。3次元的な街並みを、曲面の上に正確に投影する映像処理ソフトを開発したという。
1月にウォルト・ディズニーがピクサー買収を発表。ラセターはディズニー・アニメーションスタジオの「チーフ・クリエーティブ・オフィサー」を命じられた。ピクサーに加え、低迷が続くディズニーでも作品作りのトップに立つ。
「まずは役員主導だった企画立案を監督主導に変える。監督の情熱とハートから作品が生まれ、作り手の個性が発揮されれば、新たなスタジオのカラーが生まれるだろう」
ピクサーなどのCGに押されたディズニーは05年以降、劇場用アニメをすべてCGに切り替えた。ディズニーのアニメーター出身のラセターに、ディズニーで手がきを復活させる気は?と聞くと、大きく口を開け日本語で「ハイ!」。
「いまハリウッドのスタジオはどこも、手がきアニメはもう受けないと考えているが、ストーリーがつまらなかったのを手がきのせいにしているだけだ。手がきの素晴らしさは宮崎駿さんの作品を見れば分かる。ディズニーこそ手がき作品を作るべきだし、いずれ作るだろう」
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