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みずみずしく青春描く アニメ映画「時をかける少女」

2006年07月19日

 アニメ映画「時をかける少女」が首都圏と愛知で公開中だ(順次全国)。何度も映像化されてきた筒井康隆の短編をもとに、原作の主人公のめいが時間を行き来するオリジナルストーリー。ちみつな映像作りでアニメファンに注目されてきた新鋭細田守監督が、みずみずしい青春映画に仕上げた。

写真

細田守監督

 17歳の真琴は、同級生の功介、千昭と野球に興じる快活な少女だ。ある日、ジャンプすることで時を超える能力に気付き、食べ損ねたプリンのために昨日に戻るなど、たわいのないことに力を使う。千昭から「つきあって」と告白されうろたえた真琴は、時間をさかのぼって「なかったこと」にしてしまうが……。

 筒井ファンの細田監督がこの「時かけ」で目指したのは、「ノスタルジックに青春を振り返るのでなく、未来が不確かな今、夢に向かって走っている子を応援する物語」という。

 受け身的な原作のヒロインと違い、真琴は積極的で行動的。後輩の恋を実らせるため、友だちを事故から救うため、好きな人に最後に会うため、全力でかけていく。映画をある「結論」へ導くのはそんな真琴だ。

 「原作が描く究極の技術社会のような未来は、今の僕らには信じられない。じゃあどんな未来が提示できるのか? 真琴に引っ張られて行き着いた考えは『未来は一人ひとりが自分で切りひらくもの』。アシモのダンスより、走っている女の子の姿が一番未来的、未来そのものだと思った」

 伸びやかな線で動き回るキャラクターが印象的で、細田作品独特の密度の濃い背景が雄弁だ。夕日を浴びて遠くを流れる高速道路が切なさを醸し出し、たくましい入道雲がまっさらな未来を象徴する。

 細田監督は67年生まれ。「デジモンアドベンチャー」の劇場用中短編で注目され、スタジオジブリの「ハウルの動く城」の監督に起用されたが降板した。「ワンピース」劇場版を経て、今回の「時かけ」が長編第2作となる。

 「作品は一つひとつが奇跡の産物なんだと、今は思う。特に映画はそう。何かあると映画の神様というか悪魔みたいなのが暴れて邪魔をする。『時かけ』は、けっこう優しい神様がいてくれました」

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