刑務所内の殺人で現実への違和感表現 「46億年の恋」
2006年08月30日
三池崇史監督の「46億年の恋」が東京のシネマート六本木で公開中だ。原作は、梶原一騎と真樹日佐夫が共作した「少年Aえれじぃ」。東京・奥多摩で起きた実際の殺人を巡るミステリーだが、映画版は、脚本のNAKA雅MURAが、若者たちの愛やしっと、憎しみの絡む物語へと作り替えた。
 三池崇志監督
|
ゲイバー勤めの有吉淳(松田龍平)と凶暴な香月史郎(安藤政信)は殺人罪で同じ日に刑務所入りする。2人は心を通わせたように見えたが、香月は殺され、首を絞め続ける有吉が取り押さえられた。だが所内に、動機を持つ人物が次々浮上して――。
46億年は、地球ができてから今までの時間。三池監督は「原題のままだと社会派のにおいがしてしまうので変えたかった。実は口から出任せ」と笑う。「無になることが楽になるタイトル。時の流れの中では人間の一生なんて一瞬。すぐに死ねるんだから、悩むことがばかばかしくなる」
衣装やセットも「出任せ」のように非現実。所内で着せられる服はヒンドゥー教の僧服のようだし、雑居房の形はモスクに似ていて、外に出ればピラミッドがある。ペアを組む捜査員をよく見れば、ネクタイもサスペンダーもおそろいだ。
「脚本家が持つ現実への違和感を表現した。映画の中のウソはウソでいい」と話し、さらに「理解しようとは思わない方がいいかも。見ている間の時間が心地良いかどうかが大切」とも言う。
共演は石橋蓮司、石橋凌、遠藤憲一、舞踊家の金森穣ら。順次各地で公開。
|
|