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話題の映画「バベル」に言葉の壁 ろう者が落胆・困惑

2007年02月22日

 俳優菊地凛子さんが耳の不自由な高校生を演じ、米国アカデミー賞の助演女優賞候補になっている話題のメキシコ映画「バベル」(4月公開予定)を、試写で見たろう者たちが落胆、困惑している。映画は日本も舞台になり、多数のろう者がエキストラで協力した。だが日本公開版は日本語のせりふに字幕が付いておらず、筋を追えないからだ。配給元に字幕追加などを求める署名活動が始まった。

 映画は日本のほかモロッコ、米国、メキシコを舞台に、猟銃の誤射事件や、ろうの少女の孤独など、並行する複数の物語を通して、意思疎通の難しさを暗示する。

 英語やスペイン語のせりふ、手話には日本語字幕が付くが、日本語の会話には付かない。

 日本の撮影でコーディネーターを務めた手話通訳士の南玲子さん(45)によると、1月の試写を見たろう者たちが「字幕がなく、よく分からなかった」と残念がった。

 劇中で菊地さんの親友を演じた大学生村田裕子さん(20)も耳が不自由だ。メールの取材に答えて「ろう者にも分かるように、『すべて』に字幕がついているものだと思っていた」と述べる。「私は、たまたま日本のシーンのせりふを覚えていたので、内容が理解できたが、楽しみにしているろう者にとってはどうなるのでしょう。意味不明で終わってしまう」

 そこで南さんらは、日本の映画配給元ギャガ・コミュニケーションズに対し、広く各地の映画館に字幕追加版が行き渡ることや、字幕の無い部分のせりふを紙に印刷し、映画館でろう者に配ることなどを要望した。2月から署名も募り、約4000人分集まった。

 ギャガでは、せりふの他に効果音なども表す聴覚障害者用の字幕を全編に付けた特別版を作る方向だ。ただ、映画は約300スクリーンで封切り予定で、どこまで特別版が用意できるか、まだ分からないという。

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