現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事

「消えた映画」への愛情 短命映画の保存考えるシンポ

2007年04月26日11時30分

 8ミリ、9.5ミリ、70ミリ……人々を楽しませ、いつしか使われなくなった映画フィルムの保存・復元事情を専門家が語るシンポジウムが今月都内で開かれた。

写真劇団みんわ座による「写し絵」の実演

 映画保存機関の国際団体「国際フィルム・アーカイブ連盟」の年次会議。「短命映画規格の保存学的研究」とテーマはカタいが、映写や実演を交えた報告は「消えた映画」への愛情がこもっていた。

 海外の研究者の注目を集めたのは、日本独自のフォーマット。ロール紙に印刷した絵や写真に光を反射させて映写する、昭和初期の紙フィルム「レフシー」。円筒型の視覚玩具ゾートロープを蓄音機に載せた「ベビートーキー」は、動く絵と音を同時に楽しめるよう考案された。第2次大戦中の物資供出や戦災などで多くは失われたという。

 異なる分野の技術を応用した発明はいかにもメード・イン・ジャパン。江戸時代から伝わる「写し絵」も、日本的な工夫癖を感じさせた。

 薄いガラスに描いた極彩色の絵を、レンズと光源を仕込んだ木箱を使ってスクリーンに投射する。南蛮渡来の幻灯機の応用だが、静止画の幻灯とは違い、複数のガラスを操って絵を動かせる。劇団みんわ座の実演には「ジャパン・アニメの原点だね」との声も聞かれた。

 映画史のひとこまに思えた「短命映画規格」だが、意外な形で息を吹き返すかもしれない。

 「大人の科学マガジン」(学習研究社)は最新号で映写機の変遷を特集。シンポにも登場した紙フィルムと映写機をふろくに付けた。青山真治監督らがふろくで作った「新作映画」も公式サイトで公開中。パソコンを使ったオリジナル作品の作り方も指南する。アナログとデジタルの融合で、おもちゃ映画の復権なるか。

PR情報

このページのトップに戻る