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鬼才・押井守、次回作を熱く語る

2007年06月20日16時33分

 世界が注目するアニメ界の鬼才・押井守監督(55)が、次回作として森博嗣の小説「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」を映画化すると20日、東京都内で開いた会見で発表した。公開は来年。「愛と生と死の物語。若い人に、生きることの意味を伝えたい」と熱く語った。(アサヒ・コム編集部)

写真「戦闘機の空中戦シーンは、特に気合を入れた」と会見で語る押井守監督
写真ポスター (C)森博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会
写真多くの報道陣が集まった会見
写真「体を鍛え、今は気力も体力も充実している」

 原作の舞台は日本だが、映画では架空のヨーロッパに移す。戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の破滅的な恋を描く。

 「あるプロデューサーからアニメ化してはと原作を薦められ、いい本だと思った。でも僕はこのところ、オジサンとオバサンが出る映画ばかりを半ば意地になって作ってきたので、若い人の話はできない、と一度は断った」

 変心したのは、「別れて暮らしてきた娘と二十何年ぶりかで再会し、身近な存在として若い人と向き合うことになったから」という。「その娘も結婚し、ガブ(愛犬)が死に、自分の人生がひと巡りした気分。この作品で、僕も生き直したい」。

 「人生の可能性を留保したくて何も踏み出さなければ、傷つくことはない。でも自分の経験から言えば、不幸になるのも人生の醍醐味(だいごみ)。その覚悟と意志があれば、人生は情熱の対象になる」。豊かな社会の中で、生きることの意味を見つけづらくなった若者へのメッセージを、作品に込めるという。

 トリュフォー監督の「隣の女」が最高の恋愛映画と言う監督。「恋愛は、反社会的で身を滅ぼすもの。肉体がきしむような愛を描きたい。だから、僕らしからぬ濡(ぬ)れ場も入れました」。諦念(ていねん)やシニシズムが濃い過去の自作の色から脱却すべく、「世界の中心で、愛をさけぶ」「春の雪」などを手がけた若手女性脚本家伊藤ちひろを起用した。

 来年は、旧知の宮崎駿監督が「崖(がけ)の上のポニョ」を公開する。「ポニョも、宮さんの転機という気がする。縁があるんだと思う。僕の今度の作品には空中戦がありますが、はっきり言って(飛行機好きの)宮さんよりうまい自信がある」

 製作は日本テレビとプロダクションI.G。配給はワーナー・ブラザース映画。

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