現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事 熱いケータイ映画 大作も登場、スタイル独自に2007年07月06日15時20分 携帯電話で撮影した作品ばかりを集めた映画祭「ポケットフィルム・フェスティバル」が、パリのポンピドーセンターでこのほど開かれた。携帯ならではの機能に着目した作品が世界から集まり、劇場映画やビデオとも異なる新しい芸術表現としての“ケータイ・ムービー”の魅力に関心が集まった。 パリ市のフィルムセンター「フォーラム・デ・イマージュ」が仏携帯電話会社の協賛で開催したフェスティバルは今年が3回目。30カ国から約1000作が寄せられ、うち190作が劇場用スクリーンで上映された。大半が数十秒〜数分だが、1時間以上の「大作」も。 欧州で携帯動画が目新しかった05年の第1回は隠しカメラ的に使った作品が多かった。第2回では物語性のある作品が登場。今回は撮影者の身近な場面を素材に、主観性の強い世界を作り上げた作品が目立った。 「被写体を『撮る』ことから、被写体との『出会い』に比重が移っている。フィクションでもドキュメンタリーでもない、携帯映画ならではのスタイルが確立してきた」と主催者。 手ぶれや低い解像度をあえて生かした作品がある一方で、映画並みの鮮明な画像の作品も。鑑賞者を映画館など閉鎖空間から解放するのも特徴。いくつもの携帯電話をひもでぶらさげた「携帯の木」が設けられ、スクリーンではなく携帯画面で鑑賞する趣向もあった。 商業ベースに乗る作品はほとんど登場していないが「携帯電話を持つ人全員が鑑賞者になりうる。潜在性は高い」(主催者)。アフリカ諸国からの出品もあり、商業映画につきものだった「資本力」という壁を崩す可能性も予感させた。 ◆身内の記号から芸術へ 東京芸大・藤幡正樹教授に聞く 日本からは、藤幡正樹・東京芸大教授が大学院生たちと参加。登場人物に携帯を持たせ「演じる人」が同時に「撮る人」にもなる斬新な表現が注目を浴びた。日本でも同様の映画祭を計画する藤幡教授に携帯映画の魅力と可能性を聞いた。 最大の特徴はカメラとしてのポータビリティー(持ち運びやすさ)。従来の技術で撮れなかった被写体や身近な対象が撮れる。相手も撮られることを意識しない。発想を次々に書き留めるノートと鉛筆のようなもの。劇場映画より画面の解像度が低いため、抽象化、単純化されたアイデアを伝えられるのも魅力だ。 どこでも鑑賞できるので、見る人を連れ出して画面の中の映像と身体の周辺環境をマッチングさせる試みもしてみたい。 日本の携帯動画は、身近な人同士しかわからない「記号」の交換にとどまり、見知らぬ者が共感しあえる芸術にまだ達していない。物語性を織り込み、映画という芸術の形を目指す欧州の試みは参考になる。 PR情報この記事の関連情報文化・芸能
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