現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事 金曜夜は新作映画で 土曜日の封切りに異変2007年07月14日12時23分 土曜日の「封切り」が定着していた映画の公開に、最近変化がある。米国映画の大作が、1日繰り上げて初日を金曜にする例が目立つのだ。背景には、週休2日制が当たり前になったことと、シネマコンプレックス(複合型映画館)の普及がある。新作映画は金曜に見るもの、になるのか? ◆夏休み大作 軒並み平日に ブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事が12年ぶりに復活した米国映画「ダイ・ハード4.0」。日本の配給元は当初、6月30日を初日と考えていたが、約2週間前になって、1日早い29日の金曜に変更した。 29日は741スクリーンで公開し、入場料収入(興行収入)は約1億1200万円。首都圏のあるシネコンは、1日の入場者約900人のうち約400人が「ダイ・ハード」の観客だったという。 配給元の20世紀フォックス映画は4月にもシルベスター・スタローン主演「ロッキー・ザ・ファイナル」を金曜に封切った。同社日本代表のジェシー・リー氏は「観客は金曜に最新作を見れば、土曜日曜の余暇の選択肢が広がる。劇場も金曜の段階で新しい映画を準備できる。映画環境の活性化のチャンス」と話す。 もっと思い切った前倒しもある。「スパイダーマン3」は黄金週間途中の5月1日の火曜公開。4日が初日の本国・米国より早い。ソニー・ピクチャーズ映画部門日本代表の佐野哲章氏は「当初は5日だったが、米国側を説得した。1日にしたのは、チケット料金が各地で一律1000円になるサービスデーだから」と話す。 「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」も5月25日金曜の公開で、本国の米国と同じだった。今後の新作では「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」が今月20日の金曜、「オーシャンズ13」は8月10日の金曜。いずれも日本の配給元が、予定の公開日から1日繰り上げた。 アニメ映画「レミーのおいしいレストラン」は28日土曜が初日だが、25日の水曜から一部の映画館で「特別上映」に踏み切る。一部といっても500スクリーン以上なので、実質的な繰り上げだ。水曜は多くの映画館が女性の入場料を1000円にする。母親が夏休みになった子どもと一緒に足を運びやすい、と考えたのだ。 ◆週休2日・シネコン後押し 夏休みの大作は軒並み前倒しの様相だが、SF大作「トランスフォーマー」は8月4日土曜公開のまま。配給するUIP映画の三苫雅夫宣伝部長は「半年以上も『8・4公開』を前面に出して宣伝してきて、今の段階で変えるのはマイナスと判断した。でも、次からは考えますよ」と話す。 実は、米国の映画会社の日本の配給元は、過去にも「金曜初日」を試みた。米国の初日が金曜で、合わせたのだという。90年の「オールウェイズ」や91年の「ロビン・フッド」は日本でも金曜に封切った。だが観客増に結びつかず、長くは続かなかった。 いま広がる「金曜初日」の背景には、週休2日制とシネコンの普及がある。国家公務員は92年、公立学校は02年に完全週休2日が実現し、金曜に仕事や学校が終われば週末気分。この点は90年ごろと条件が違う。 シネコンは、業界団体の集計では、06年に全国のスクリーン数3062のうち7割強を占めるに至った。1館に多くのスクリーンがあるシネコンなら、金曜に新作を加えても柔軟に「番組編成」ができる。 ともかく、映画の興行は最初の週末が肝心だ。スタート時の動員が低調ならば、上映するスクリーンは減り、定員の少ない劇場に回されてしまうかもしれない。映画会社としては、1日早い「花金」公開で週末全体の数字を上げたい。 新作の「ハリー・ポッター」が920スクリーンで初日を迎えるように、シネコンの普及は大規模上映を可能にした。ただ、後には別の大作が控えるから、長期間の上映は簡単ではない。あるシネコンのマネジャーが言うように「短期間で大きく稼ぐのが今のシネコン」の流儀なのだ。 ただ、金曜公開が映画界全体に広がる可能性には「?」がつく。 映画会社の中には「小規模公開の作品だと、普通と違う前倒し公開の周知は大変で、大作ほどメリットはない」「出演者の舞台あいさつも土曜が恒例。日本の映画公開は、まだまだ土曜が中心でしょう」といった声は根強い。 PR情報この記事の関連情報
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