現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事 脚本、撮影、監督、編集 すべて中学生2007年08月15日09時26分 中学生が脚本づくりから撮影、役者、編集まですべてを手がける映画制作が、神奈川県川崎市麻生区で進んでいる。NPO法人「KAWASAKIアーツ」と同市が主催し、今秋に開催する「KAWASAKIしんゆり映画祭」の「ジュニア映画制作ワークショップ」の活動で、完成作品は11月4日に上映される。
「本番、いきます」。7月31日、同区の市立麻生中学校の教室を使った撮影が進んでいた。マイクに雑音が入らないよう、天井に取り付けた扇風機のスイッチを切った教室内に緊張が走った。「よーい、スタート」 みんな、手紙が帰ってきたよ お、どれどれ 「カット」 「今のシーン、オッケー?」。映画の撮影を指導する映画監督の栃原広昭さんが、すかさずカメラを回している中原中2年の松井美波さん(13)に声をかける。モニターを真剣な表情で見ていた松井さんが「オッケーです」と大きな声で答え、このシーンの撮影は終了した。 ワークショップは「映画制作を通じ、子どもたちのコミュニケーションの場をつくろう」と00年に始まり、8回目だ。川崎市内の中学生21人が参加し、7月上旬から持ち寄った作文をもとに脚本作りを開始。映画の仕組みやカメラや照明の使い方なども学び、7月29日から撮影が始まった。 映画の制作には、栃原さんのほか、同区内にあり、映像作家や俳優を養成している「日本映画学校」の学生らも指導役として参加している。 しかし、主役はあくまで中学生だ。役者の動きやせりふの内容、撮影したい角度に合わせ、カメラの位置や高さ、マイクの場所、せりふを入れるタイミングまで自分たちで決める。このため、10秒足らずの一シーンの撮影にも20分以上かかる。 撮影中の映画「紫蘭(しらん)の花」は、中学生グループの中の女子生徒が心臓病で亡くなり、彼女が大事にしていた紫蘭の花をみんなで育てるというストーリー。20分ほどの短編映画の予定だ。 原案を考えたのは宮前平中学3年の松島尚輝さん(14)で、ワークショップの参加は今年で3回目。「みんなと一緒に考えながらの映画作りの楽しさが忘れられなくて毎年参加している。作品のテーマは、時間がたつと大事なことを忘れてしまうことがあるけど、それって寂しい。いつまでも忘れないで、という友情を表現したい」と話す。 亡くなる女子生徒役を務めるのは今年初参加した菅中学1年の中村有花さん(12)。「難しいけど、自分だったらこんな時どうするかな、って考えながら演じるようにしています」という。 栃原さんは「映画作りは撮る人、演じる人、見る人、それぞれのコミュニケーションの積み重ねの作業。子どもたちは何を、どうして伝えたいのか、一生懸命悩んで考えながら映画作りをしている」と話している。 撮影はあと数日で終了し、8月中旬をめどに編集作業を終わらせる。上映は11月4日、新百合21ホールの予定。問い合わせは映画祭事務局(044・953・7652)へ。 PR情報この記事の関連情報 |