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再評価進むマカロニ・ウエスタン ベネチア映画祭で特集

2007年09月20日15時25分

 ガトリング銃による派手な銃撃や非情な作風で人気を集めたマカロニ・ウエスタンの再評価が進んでいる。イタリアで開かれた第64回ベネチア国際映画祭でも「イタリアン・ウエスタン」特集があり「荒野の用心棒」(64年、セルジオ・レオーネ監督)などの名作が人気を集め、「現代の西部劇」を模索する作品も登場している。

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定番のガトリング銃も登場した=「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」より

 「イタリアン・ウエスタン」は、アメリカなどでは「スパゲティ・ウエスタン」、日本では淀川長治さんが命名したともいわれる「マカロニ・ウエスタン」で知られる。本場アメリカの西部劇ではなく、イタリアで製作されたきわもの西部劇と皮肉った気持ちが込められている。

 「荒野の1ドル銀貨」(65年、カルビン・バジェット監督)などの上映に際しては、すっかり白髪になった主演のジュリアーノ・ジェンマがあいさつするなど、オールド・ファンを喜ばせていた。

 同映画祭にコンペ作品として日本から参加した三池崇史監督の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」も、こうしたオマージュから成立した作品だった。60年生まれの三池監督は「父が西部劇ファンで、マカロニ・ウエスタンの世界はおもちゃとして子どものころに与えられ、あこがれた世界だった」と話す。

 60年代から70年代にかけて集中的に作られたマカロニ・ウエスタンを見たり、テレビでの再放送で親しんだりした30、40代が懐かしがっているのも再評価の一因だ。

 映画祭ではさらに現在へとつながる「イタリアン・ウエスタン」の精神を検証するシンポジウムもあった。映画評論家の山根貞男さんは「『荒野の用心棒』が黒澤明監督の『用心棒』の盗作であるとされたが、物語の構造はハメットの『血の収穫』も同じ」と指摘。「国を越えて影響を与え合うことは映画の世界ではよくある。現在でもジョン・ウーなどの香港映画を経由しタランティーノにも影響を与えている」

 このシンポジウムでは別の発言者から「クラシックな西部劇という卵を割って、イタリアン・ウエスタンは誕生してきた」という発言もあった。

 このことばに呼応する「マカロニ」精神を象徴する作品が、コンペ以外の新たな潮流を紹介するオリゾンティ部門で上映されたアレックス・コックス監督の「サーチャーズ 2.0」だった。現代の西部劇とは何かを示唆しながら、西部劇に子役として参加した経験を持つ二人の中年男が、撮影時に受けた虐待に報復しようと伝説の脚本家を探しだそうとする。劇中でもイラク戦争が石油利権をめぐる戦争と示すことで、勧善懲悪の古き良き西部劇が通用しない時代に我々が生きていることを印象づけた。

 こうした挑戦と同時に、本家米国では大型の西部劇が次々に登場している。「決断の3時10分」(57年)のリメークでラッセル・クロウが主演する「3:10 to Yuma」は西部劇としては久々に北米映画興行収入ランキングで1位(7日―9日)を記録した。またブラッド・ピット主演の「ジェシー・ジェイムス暗殺」もまもなく公開される。いずれも家族愛や心理描写に重点が置かれ、新たな時代の西部劇再生を模索している。

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