現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事 異才の息子、異才を撮る 大島新が唐十郎を映画化2007年12月15日15時24分 劇作家、唐十郎率いる「劇団唐組」のけいこと日常を映した「シアトリカル」が、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開中だ。大島新(あらた)監督(38)は大島渚監督の次男。これまでテレビドキュメンタリーを手がけ、今回が映画デビュー作だ。 ◇ 「唐さんは、予定調和の『ええ話』に収まりきらない。こういう人です、と言った瞬間にすり抜けてしまう」。昨年5月放送のTBS系「情熱大陸」で唐を取材後、物足りなさを感じたのが製作の動機だ。 昨年11月から、「行商人ネモ」のけいこに密着した。どなり、なだめ、すかす……。唐の激情や奇想の底知れぬ源を劇団員は容易につかめぬ風だが、信頼は厚い。その信頼感を培う合宿や宴会での議論風景、テント設営を含めた手作りの旅公演など、カメラは一体感を浮き彫りにする。 「カメラを向けた瞬間、被写体は素(す)でいようとするが、唐さんは素でいられないし、いようとしない。俳優として演じている時の方が素に見える。存在自体がシアトリカル(演劇的)」 そうした唐に「余計な解釈や修飾、ナレーションは不要」と言う。ただ、ドキュメンタリーの形をとりながら、台本に沿った演出も数場面加えた。その結果、できた映画は「7割は現実、2割は虚構、1割は虚実不明になった」と話す。 学生時代、唐の舞台に行った。伝説の演劇人から「歴史」を学ぶのかと思って見たら、時代を超えた迫力に圧された。「展開はのみ込めないが、力がみなぎり、心がしびれた」という。 「まねごとや、ウェルメードがあふれる現代、この異才がなぜ、この時代に生まれ、あり続けられるのかを探りたかった」 映画を撮るにあたって、父の影響は? 「映像表現上は影響を受けていないと思う。でも、同時代性や時事性に作り手のエネルギーを込め、難解だが、革新的なパワーがあった人だと思う」と敬意を表した。 順次、各地で。 PR情報この記事の関連情報 |