現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事 良い「妥協」が余裕生む 竹野内豊さんに聞く2008年04月18日15時57分 インタビューは苦手と聞いていたが、そんなことはみじんも感じさせず、誠実に、丁寧に、主演映画「あの空をおぼえてる」(26日公開、冨樫森監督)にこめた思いを伝えてくれた。 「今は隣にある当たり前の大切さに気がつかないような時代なのでは、と心の片隅で感じている時に、今回の脚本を読んで、自分の中ですごく感じるものがあったんですよね」 事故で娘を失った家族の喪失と再生の物語だ。演じたのは父親。心から愛する姿、深く傷ついた姿、そして生きる力を取り戻す姿を通じて、家族のきずなの大切さを表現する。 子供を失った父親をどう体現するか。体験談を読んだり、周囲に聞いたりして、役をつくっていった。中でも現場の雰囲気が大きかったという。 「(娘役の吉田)里琴ちゃんがロケの初日からお父さんって胸に飛び込んできてくれて、すごくなついてくれた。可愛くて、可愛くて、もし、この子が突然目の前から姿を消してしまったらたまらないな、と心の底から思えるようになった。実際に彼女が撮影を終えて先に東京に帰っちゃったら、本当に寂しく、悲しくなった」 映画出演は、恋愛小説のベストセラーを映画化した「冷静と情熱のあいだ」以来7年ぶりだ。「以前は欲張ってすべてやりたい、全部を自分の中に抱え込んで仕事に取り組むというのがあった。でも、この7年で必要のないものをそぎ落とすことができるようになり、自分自身がだいぶ楽になれた。いい意味での妥協ができるようになったのです」。その余裕が幅の広さにつながっているのだろう。 戦後の戦犯裁判を舞台にした映画「明日への遺言」(小泉堯史監督)ではナレーションも担当。「なるべく感情を排して、淡々と伝えるようにしました」。自分の信念を曲げることなく「法戦」に挑んだ主人公の心情などを真摯(しんし)に語っていく。 37歳の独身だ。「人間は一人で生きていてはいけない」と思っている。「家族をもったり、誰かと暮らしたりすれば、嫌だと思ったり、ストレスを感じたりする時があるが、それは人間にとってものすごく大事なこと。僕自身の結婚もご縁とタイミングがあれば。自分のために頑張っていても仕方ないと思う瞬間が最近あるんです」 (斉藤勝寿) ◇ たけのうち・ゆたか 71年東京生まれ。94年にドラマ「ボクの就職」でデビュー。「星の金貨」「ロングバケーション」で注目され、反町隆史と共演した「ビーチボーイズ」でスターに。主なテレビドラマに「ヤンキー母校に帰る」「輪舞曲〜ロンド〜」。 PR情報 |