現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>映画> 記事

定年後渡仏の画家主演作 カンヌ「監督週間」で上映

2008年05月12日14時59分

 14日開幕するカンヌ国際映画祭の「監督週間」部門で、仏在住の画家、森本健一さん(68)主演の「ムッシュ・モリモト」が上映される。監督はフランス人のニコラ・ソルナガ(36)。定年退職後に渡仏し、パリを放浪して気ままに絵を描く森本さんに引かれ、映画のモチーフにした。

写真「ムッシュ・モリモト」を撮影中のニコラ・ソルナガ監督(右)と森本健一さん(左)=今年3月、パリ、飯竹写す

 昨年6月、ソルナガ監督はパリの街頭で一風変わった東洋人に目を見張った。しなびた濃紺のスーツにベレー帽。白髪のヒゲはとぐろを巻いている。「まるでチャプリンの日本版だ」。とっさに作品を着想し、出演を依頼した。

 森本さんは故郷・熊本のサラリーマン時代から打ち込んだ絵画を「芸術の都で続けたい」と00年に来仏。「演技なんて小学校の学芸会の脇役しか記憶がない」とためらったが、監督に説得された。

 映画は、家賃滞納でアパートを追われたムッシュ・モリモトが出会う人間模様を描く。「蝶に踊る」と題した絵画が行方不明になるが、持ち去った仏女性にムッシュ・モリモトは恋心を抱いている。

 森本さんは実生活と同じスーツにベレー帽で出演。長崎原爆を見た体験など実話も織り込まれている。「80歳まではパリで絵をやりたいと、やって来た。まさかカンヌで上映される映画に出るなんて、人生わからんね」と森本さん。ソルナガ監督は「森本さんは生まれながらの俳優。パリに紛れ込んだ迷い猫のように演じてもらえた」と話している。(パリ=飯竹恒一)

PR情報

このページのトップに戻る