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拓郎&かぐや姫31年ぶりつま恋ライブ

2006年09月24日

 吉田拓郎(60)とかぐや姫の3人が23日、静岡県掛川市のリゾート施設「つま恋」で31年ぶりに野外コンサートを行った。75年に12時間に及ぶオールナイトライブで伝説をつくった4人。平均年齢は27歳から58歳になったが、彼らの歌とともに生きてきた団塊の世代中心の3万5000人が駆けつけ、8時間にわたる再会の宴(うたげ)をともに楽しんだ。

 31年ぶりの同窓会だった。観客の平均年齢は49歳。75年は21歳。伝説に立ち会った人、彼らの歌を胸に人生を歩んできた人々が、あの日の思いを再確認し、今の自分を見詰め直すために、つま恋に集まった。

 カリスマだった拓郎も還暦。白いギターを抱えながら古い友人に語りかけるように話し始めた。「お互いに変わりがないようで。僕はこの辺(頭)が薄くなって、この辺(腹)が太めになった。昔は殺気立っていたけど、みんなも丸くなってよかったよね」。

 会場には、31年前に充満していた過激な熱気の代わりに、ゆっくり歌声を楽しむ大人の空気が流れた。南こうせつ(57)が「団塊の世代の人はいますか」と呼び掛けると無数の手が上がり、4人と合唱する声も穏やかに落ち着いていた。ただ1つ変わらなかったものが、同じ時代を共有している太く強い一体感だった。

 変化は拓郎も感じていた。「自分でも怖いくらい冷静」と驚いた。かつては5万の人波を初めて目の当たりにしてびびっていた。「怖くて怖くて。お客のみんなが攻めてきたらどうしようなんて考えて」。開演前にウイスキーをあおり、ステージでは足がすくみ、出演時間を早々に切り上げてスタッフを慌てさせた。

 結婚、テレビ文化や苦手だった若者との付き合い、肺がん手術…。観客同様、拓郎も人生の悲喜こもごもを通過して、今がある。31年ぶりの同窓会はそんな道のりの1つの区切りだった。昨年7月、こうせつと久々に再会。自然に「一緒にやろう。つま恋っていう手もあるな」と決まった。

 つま恋のステージを心静かに迎えることができた幸せをかみしめるように、かぐや姫と奏でた68曲。「僕は何でもできる。そう思えば世の中何も怖くないでしょ」。拓郎は歌の合間に何度もこの言葉を繰り返した。終了間際には深々と頭を下げた。1秒、2秒…、そのまま30秒近く経過した。

 観客の大半を占めた団塊世代も来年から大量退職が始まる。互いに人生はさらに続く。拓郎とかぐや姫の歌声と言葉は、仲間への敬意と大きなエールだった。



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