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〈06回顧:8〉ポピュラー 配信時代、ベスト盤人気 女性ソロの健闘目立つ

2006年12月28日14時31分

 音楽配信の伸長で、ヒットのあり方に変化が兆した年だった。

写真ヒット曲「桜」を含むベスト盤が200万枚に達したコブクロ

◇マーケットの約1割

 日本レコード協会によると、有料音楽配信の売り上げは、今年1〜9月で約380億円。昨年の同時期から61%増え、通年で500億円に届く勢いだ。配信を除く音楽ソフト市場は近年ほぼ4000億円台の規模だから、出現して日の浅い音楽配信が早くもマーケットの1割程度を握った。10月にはタワーレコードが配信事業に参入。CDを売ってきたレコード店にとっても無視できない状況だ。

 配信であれば100〜200円程度で1曲ずつ買え、アーティストのアルバムの全曲を買う必要はない。だからか、今年よく売れたCDはベスト盤が多い。コブクロ、倖田來未、スピッツ、ボニー・ピンク……。ベスト盤ならヒット曲が満載でお得。「配信時代」の買い方にかなうのだ。

 シングルCDの売り上げでは、KAT―TUNの「Real Face」が今年唯一の100万超。彼らを含むジャニーズ勢は、チャート上位をしばしば占めたが、それはファンたちが、音だけをダウンロードするのでなく、形のあるCDを求めたからだろう。

 他に健闘が目立ったのは女性のソロ歌手と、昨年に続いてインディーズ系だ。

 絢香とアンジェラ・アキは今年初めてフルアルバムを出した。ともに力強い歌声で、ひたむきな思いを伝える曲調が女性を中心に支持を得た。4年ぶりのアルバムを出した宇多田ヒカルも、全盛期には及ばないがミリオンセラーに達した。

 インディーズではデフ・テック、HY、エルレガーデンなどが、オリコンチャート首位を獲得した。

◇中高年は「青春回帰」

 一方、中高年は「青春の音楽」に回帰した。9月に3万5000人を集めた、吉田拓郎とかぐや姫による31年ぶりの「つま恋」コンサートは、社会現象に近いものだった。この年代のファンは、次々復刻される旧作をまとめ買いするなど、CDの購買意欲が旺盛で、若者と違った音楽市場を形作った。

 世代間の隔たりが強まるなか、国民歌謡を生んだ作曲家2人が世を去った。ザ・ピーナッツを育て、「宇宙戦艦ヤマト」のテーマを書いた宮川泰。都はるみとのコンビで知られた市川昭介。「大衆に愛された」という弔辞が、今の若手に手向けられることは、将来あるだろうか。

◇秋以降、大物続々来日

 洋楽は男性シンガー・ソングライターの活躍が目を引いた。中でもカナダのダニエル・パウター、英国のジェイムス・ブラントは、メロディアスな楽曲とさわやかな歌声で人気を呼んだ。2人の曲を収めたコンピレーションCD「ビューティフル・ソングス」は息の長いヒットになっている。

 秋以降は大物アーティストの久々の来日が相次いだ。マドンナは13年ぶり、ビリー・ジョエルは8年ぶり。ともに近年ヒット曲が無いが、ショーマンシップあふれるステージはエンターテイナーぶりを印象づけた。U2も8年ぶり。政治的な活動でも話題になるこのバンドらしく、メッセージ性の強いステージだった。

 若手の進境著しいジャズ界では、ベテラン秋吉敏子が米国では最大の栄誉とされる全米芸術基金の「ジャズマスター」に日本人として初めて選ばれた。

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