現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 お殿様の「へそくり帳」 家老にも秘密 尾張徳川家2007年04月07日18時13分 尾張徳川家の藩主のために、公の会計とは別に重臣が内密に確保していたお金の帳簿が、「徳川林政史研究所」(東京都豊島区)の保管資料から見つかった。今で言うならお殿様の「へそくり帳」。発掘した徳川美術館(名古屋市東区)の志賀太郎学芸員は「藩主の懐事情がうかがえる珍しい資料」と話している。 帳簿は「御印帳」と名付けられて保管されていたが、中身は精査されていなかった。 記録は1730年から55年までで、尾張藩6代継友、7代宗春、8代宗勝の治世に当たる。宗春は、8代将軍吉宗の享保の改革に反対し、派手好きでも知られる藩主だ。 毎年上納された税金から、内密に確保した金額と日付を記録していた。額は毎年ほぼ一定で、年間90両ほど。使途についての記載はない。日本銀行金融研究所貨幣博物館によると、1両の価値は、米価を基準に換算すると約4万円、当時の労働賃金を基準にすると30万〜40万円になる。 ユニークなのは宗春の時代に書かれた覚書で、御印帳の存在をほとんどの家老は知らず、使い道は藩主に一任している▽お金が入ったらすぐに記入押印して藩主に渡し、手元の「溜塗(ためぬり)箱」に収める▽藩のお金が不足しても、領民を救済するときの手当てを失うことになるから、この金銀で穴埋めするようなことをしてはいけない――とある。 尾張徳川家は、将軍家に世継ぎがいなかった場合に将軍を出す、御三家の筆頭。名古屋を中心に約62万石を有していた。 PR情報この記事の関連情報 |