現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 平安時代のイナバウアー? 三重塔の内壁に落書き2007年03月20日16時23分 平安時代後期(12世紀)に平安京から移築されたという京都府木津川市の浄瑠璃寺三重塔(国宝)に、曲芸の様子を描いた落書きのあることが、朝日放送(大阪市)による赤外線撮影でわかった。筆づかいや人物の服装から、平安時代末〜鎌倉時代初めの絵とみられる。1人の人物は大きく体を反らせ、フィギュアスケート荒川静香選手の「イナバウアー」のようだ。
落書きは、仏教美術の番組を取材していたスタッフが、三重塔内壁に描かれた「十六羅漢像」の見えにくい部分を確認しようと、赤外線撮影をして見つけた。羅漢の右上余白部分に、刀を頭上に放り投げている人物や、体を後ろに反らせた人物らが描かれている。「散楽(さんがく)」と呼ばれた大陸伝来の曲芸とみられる。空中の刀の周囲に弧線を描いて、回転する様子を表す手法は、現在のマンガにも似ている。 京都精華大マンガ学部のヨシトミヤスオ教授は、「刀の回転を表す効果線は、12世紀の鳥獣戯画でも見られるが、落書きにも広がっていたというのは面白い。イナバウアーのようなポーズにもデッサン力がうかがえ、落書きとしては一級品だろう」と話す。 刀の曲芸をする人物は片手に扇を持っている。現在も春日大社(奈良市)の若宮おん祭で奉納される「田楽(でんがく)」に、扇を前に置いた男性が小刀を空中に放る場面がある。この絵を見た春日大社の岡本彰夫・権宮司は「おん祭は平安後期の1136年に始まったと伝えられるが、田楽には当時の形が非常によく残されていることが確かめられた」と話している。 落書きがあった三重塔の内部は一般公開されていない。絵についての詳細は21日午前10時半から朝日放送テレビ「神と遊ぶ 春日大社若宮おん祭」で紹介される。 PR情報 |