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大仏さんを、さびから守る「お身ぬぐい」

2007年06月03日00時44分

 年に1度のお身ぬぐいが大仏さんをさびから守り、校倉(あぜくら)造りの木造倉庫や木の櫃(ひつ)が大気汚染の影響を防いでいる――奈良・東大寺の文化財の環境調査を続けている、奈良大学の西山要一教授(保存科学)らがこんな研究結果を、2日に奈良市で開かれた日本文化財科学会で発表した。古代から続く日本人のきれい好きや木の文化が、公害防止の防波堤としても役立ったといえそうだ。

写真大仏のお身ぬぐい=03年8月7日、奈良市の東大寺で

 西山教授らの研究グループは88年から、東大寺や周辺の文化財に対する大気汚染の影響を調べている。そのひとつとして、銅造の大仏(盧舎那(るしゃな)仏、高さ約15メートル、国宝)のお身ぬぐい(毎年8月7日)で出るほこりに含まれる汚染物質を分析。約250人の僧や信者がぬぐったバケツ20〜30杯になるほこりには、窒素酸化物や硫黄酸化物が1ミリリットル中、40〜800マイクログラム含まれ、大気中よりも高い数値だったことがわかった。

 西山教授によると、顔や足などよくふきとられている部位はさびがないが、大きくて垂直な胸などのふきにくい個所にはさびが見られた。「布ぶきが汚染防止に役立つ証し」という。

 また、同寺本坊にある校倉造りの木造経庫(きょうこ)(幅8.9メートル、奥行き5.88メートル、高さ10.32メートル、国宝)で、内部に木の櫃を置き、大気汚染物質の量を1カ月ずつ計測した。その結果、二酸化硫黄が経庫内では戸外の13分の1、櫃内では15分の1となった。二酸化窒素は経庫内で戸外の2分の1、櫃内は140分の1だった。

 西山教授は「経庫の校倉は透き間が多く、密閉されていない。メカニズムは不明だが、建物や櫃の木材が汚染防止に役立っているようだ」と見ている。

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