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石田三成の軍師がモデル、「しまさこにゃん」 滋賀

2007年06月13日13時55分

 「しまさこにゃん」をご存じだろうか。安土桃山時代に佐和山城を居城とした石田三成の家臣、島左近をモデルにしたキャラクターだ。国宝・彦根城築城400年祭のマスコットキャラクター「ひこにゃん」ほどには知られていないが、味のある面構えの黒いかぶと姿は、なかなか凜々(りり)しい。ユニークなところもいっぱいあって憎めない存在だ。

写真あづち信長まつりに参加した、しまさこにゃん。グッズの売り子も務めた。右はやまもとひまりさん=3日、滋賀県安土町下豊浦で

 ●飲んべえ?

 「二日酔いで、ダウンしてるのかな」。しまさこにゃんが出没することが多い日曜日の彦根城で姿が見えないと、売店の女性はそんなことを考える。彼は辛口の日本酒や芋焼酎が大好き。酒の肴(さかな)にするのか、フナずしにも目がないという。

 今月3日、彦根城から南西に約20キロの安土町・安土城跡近くで、その雄姿を目にすることができた。あづち信長まつりに「出張」し、手づくり甲冑(かっちゅう)隊の仲間と、総勢約500人の武者行列に参加していたのだ。

 織田信長の家来だった豊臣秀吉の家臣・石田三成の軍師だったのが島左近。会場で披露された甲冑劇にも刀を手に出演し、グッズ販売の売り子も務めた。

 彼のスケジュールを掌握しているという追っかけファンもいて、なかなかの人気者。お酒どころか水も飲まずに、愛敬を振りまいていた。

 ●ライバル?

 ひこにゃん人気はいまや全国区。彦根藩2代目藩主、井伊直孝を手招きして雷雨から救ったとされるネコがモデルで、井伊家の代名詞「赤備え」のかぶとをかぶり、400年祭のPRに忙しい。彦根城を訪れる人々を毎日出迎えている。

 真っ白で手あかにまみれてなさそうなひこにゃんに対し、しまさこにゃんは全体にグレー。しっぽもあれば、背中にはトラのようなしま模様もある。「治部少(三成)に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城」とうたわれたほどの武将がモデルとあって、目つきは鋭い。かぶとも黒いためか、ちょっと悪役面で、少々いかめしい感じだ。

 東軍、西軍がぶつかった関ケ原の戦い(1600年)で、井伊家が支持した徳川家康方に石田三成、島左近は敗れた。だからキャラクターも敵対していると思われがちだが、そうでもないらしい。

 ●その心は…

 しまさこにゃんが根城にしているのは、花しょうぶ通り商店街にある、ひこね「街の駅」寺子屋力石(ちからいし)。駅長で「彦根左近の会」会長の小杉共弘さん(53)はこう話す。

 「ひこにゃん効果で彦根城に注目が集まったが、彦根城だけが彦根の名所ではない。佐和山城や島左近、石田三成のことを、しまさこにゃんをきっかけに知って欲しい」

 そのためには、かつて敵対した側が築いた彦根城に乗り込むことも辞さない。日曜日には天守閣前でひこにゃんと肩を並べ、嬌声(きょうせい)を浴びることも。だが、心はやはり佐和山城にある。

 もう一度、佐和山城で主君の石田三成と花見酒――。小杉さんによると、しまさこにゃんは酔っぱらうと、いつもそんな夢を見るのだそうだ。

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