現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 ロング木簡は和歌専用? 大阪市大教授が新説2007年11月29日06時11分 古代人は和歌専用にロングサイズ木簡を使っていた――こんな新説を、大阪市立大大学院の栄原永遠男(さかえはら・とわお)教授(古代史)が打ち出した。和歌を記した各地の木簡を調べたところ、通常より数倍大きい推定長30〜60センチのものが何点もあることに注目した。儀式で大きな木簡に歌を書き付けて朗々と読み上げたのではないかという。12月1日の木簡学会で発表される。
栄原教授は、「最古の万葉仮名文」とされる難波宮(なにわのみや)跡(大阪市)の「和歌木簡」(7世紀中ごろ)などを調べた。この木簡は全長18.5センチ、幅2.65センチ。「皮留久佐乃皮斯米之刀斯(はるくさのはじめのとし)」と11文字が記され、途中で折れていた。1首分31文字が1行に書かれていれば、全長49センチ以上あったと推定した。 ほかにも、途中で折られた「和歌木簡」が全国に十数例あった。「目毛美須流(めもみする)……」とある平城宮跡(奈良市)出土木簡(774年、現存長58.5センチ)は推定全長74センチ以上、秋田城(秋田市)の「波流奈礼波(はるなれば)……」木簡(8世紀後半、現存長18.1センチ)は同35センチ以上などと、どれも30センチ以上。役所の文書や荷札に使われ、十数センチ程度のものが大半の木簡の中では、異例の長さだった。 栄原教授は「これらは和歌専用で、手習いの落書きのような木簡とは違う。何らかの儀式で長い木簡に和歌を書き、出席者全員で唱和したのでないか。視覚・聴覚的効果を期待したのだろう」と話している。 渡辺晃宏・奈良文化財研究所史料研究室長(古代史)の話 これまでの木簡研究は文字や内容が主で、木簡の大きさなどにあまり注目しなかった。その点を重視した興味深い研究で、今後の進展を待ちたい。 PR情報この記事の関連情報 |