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芥川賞作家ら創刊「メルボルン1」 かっこいい同人誌追求

2006年11月07日

 芥川賞作家の長嶋有さんが呼びかけ、柴崎友香さんや福永信さんらプロの作家が同人となった異色の同人誌「メルボルン1」が完成した。文芸誌や雑誌などにすでに発表の場を持っている作家が、それぞれの「かっこいい」を持ち寄り、新たな可能性を探っている。12日に東京・秋葉原で開かれる「第5回文学フリマ」などで販売する。

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「メルボルン1」について語る長嶋有さんと名久井直子さん、柴崎友香さん(左から)

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造本にもこだわった「メルボルン1」

 プロを目指すアマチュアの修行の場でも、商業誌には載せられない前衛的な実験を試す場でもない。「アンチ文芸誌ではなく、文芸誌の潜在的なかっこよさを凝縮したもの」だという。作家以外にも画家の法貴信也さんとデザイナーの名久井直子さんが同人として加わり、装丁などのビジュアルの水準もプロの仕事になっている。

 柴崎さんは「音楽や美術の世界の友人は一緒に協力して何かを作っていくことが多く、小説でもみんなでできることがあったらいいなと思っていました。また世代的にも、そろそろ自分たちが声をかける側になる必要があると感じていました」と話す。

 同人の創作以外にも、ゲストとして「きょうの猫村さん」で人気の漫画家ほしよりこさんや作家の中原昌也さんの新作、歌人の穂村弘さんのインタビューなどを掲載し、広がりのある誌面作りを目指した。

 印刷や造本に凝ったため「1500部が完売しなければ大赤字」という。呼びかけ人となった長嶋さんは「短期的には効率が悪く見えるけど、手作りの文芸誌を一から作ることで、自分に生じる気持ちや反響を体験してみたかった。漫然と執筆の仕事だけを引き受けて、定見を持っていくのが怖い。『原稿を催促する』とか『在庫を抱える』といった次元から実感してみたかったんです」と話す。

 「メルボルン1」はホームページ(http://ecodec.com/melbourne1/)などでも販売情報を告知する。約80ページで一部1000円。来年以降も誌名を変え、不定期で刊行する予定。「第5回文学フリマ」は午前11時から午後4時まで、東京・秋葉原の東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎で。詩人の藤井貞和さんと漫画家の花輪和一さんらが作った雑誌なども販売される。

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