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定価39万9千円、「伊能大図総覧」の予約好調

2006年11月17日

 江戸時代の地理学者、伊能忠敬(1745―1818年)が作製した「大日本沿海輿地(よち)全図」のうち、基本となる「大図」214枚すべてを収めた豪華本「伊能大図総覧」が12月、河出書房新社から刊行される。上下2冊で重さ20キロ、定価39万9000円。かつて諸侯だけが持っていた「大名道具」の平成版は、130部以上が予約済みだ。

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伊能大図の富士山(部分)。気象庁で発見され、国立国会図書館に寄贈された1枚=「伊能大図総覧」パンフレットから

 大図は、縮尺3万6000分の1。8枚組みの中図(21万6000分の1)や3枚組みの小図(43万2000分の1)に比べ、はるかに詳しい。測量の軌跡や、宿駅、港、神社の鳥居も読みとれる。河川や湖沼は青、砂浜は黄色に塗られ、集落は屋根が連なる。地名はざっと4万件出ている。

 10次にわたる全国測量を終え、最終本の伊能図が出たのは1821年だった。幕府に提出された正本、大・中・小図の計225枚は火災(1873年)で焼失。伊能家から政府に出された控え図(副本)も1923年の関東大震災で失われた。

 ドイツ人医師シーボルトは伊能小図を持ち出そうとして追放された。幕府は、海岸線が正確に描かれた伊能図が国外へ渡るのを恐れたが、大名が持つのは黙認していた。副本、写本などが出回り、仕上がりのいい写本も少なくなかった。

 「大図総覧」には、国内に残されていたり、01年に米議会図書館で見つかったりした図から、状態のいいものを選んだ。

 監修した伊能忠敬研究会名誉代表の渡辺一郎さん(77)は「約30年かけて伊能図が全部そろい、最高の印刷で大図の面影を再現できた。よくまとまったと感じる。これで一区切りつきました」と感慨深げだ。

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