現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事

絵本もお役所も「萌え」 関連市場888億円の試算も

2007年01月21日10時45分

 アニメやマンガ、ゲームでかわいい笑顔をふりまく美少女。そんな「萌(も)え」キャラクターたちが意外な新分野に続々進出している。子供向け絵本、官能小説、地方自治体のPRキャラクター……。ファンの隠語から流行語になった「萌え」の拡散は、とどまるところを知らない。

写真絵本「POP WONDERLAND 赤ずきん」
写真美少女文庫「サムライガール」

 かわいいコゼットにジャン・バルジャンもメロメロ? そんなことをつぶやきたくなるのが、10年ぶりに復活したアニメシリーズ「世界名作劇場」の最新作「レ・ミゼラブル 少女コゼット」(日曜夜にBSフジで放映中)だ。

 ユーゴーの名作を、コゼットを主人公に脚色した。「フランダースの犬」や「あらいぐまラスカル」を知るファンには、隔世の感がある今風の絵柄だ。

 これが絵本のしにせポプラ社の本? と驚かされるのが昨春始まった「POP WONDERLAND」シリーズ。「萌え系イラストによる子供向け絵本という新しい試み」(同社)だ。萌えキャラをあしらいヒットした英単語集「萌える英単語 もえたん」でブレークしたイラストレーター、「ぽっぷ」さんが「赤ずきん」や「ふしぎの国のアリス」を描く。

 「ぽっぷさんの絵は子供にも好かれると思った」と編集局の横山拓也さん。「“萌え”が好きな方には画集感覚で楽しんでもらえるのでは。両方の読者層にアピールしていきたい」。「おやゆびひめ」など続刊も予定。キャラクターグッズの企画も進行中だ。

 黒表紙の官能小説文庫でおなじみフランス書院は、03年に「美少女文庫」をスタートし100点以上を刊行している。「本家」の濃厚な劇画系と違い、表紙や挿絵は萌えキャラが躍る。中身は美少女剣士やメイドさんとのラブコメなどで、ライトノベル(ラノベ)に近い。

 「ラノベに飽き足らない人のための、若い世代向け官能小説、という位置づけです」と担当の森川洋平さんは話す。ラノベブームに乗って売れ行きも上々。「18禁(成人向け)ではないので、書店ではラノベの棚に置いて欲しいですね」

 茨城県下妻市のホームページキャラクター「シモンちゃん」は、リニューアルした3代目が昨年1月に登場して以来、ネットで注目を浴び同人誌まで作られる人気ぶり。グッズの発売を持ちかける企業もあったという。「萌えキャラとかそんなつもりはなく、HPのお堅いイメージを払拭(ふっしょく)したくて作っただけなんですが」と、情報政策課の平井英雄課長補佐は苦笑する。

 地元に生息するオオムラサキをイメージしたデザインは、プロのイラストレーターによるもの。羽の模様がオスのものなので「実は男の子」説が流れ、一部のコアなファンを刺激したが「性別は決めていない」そうだ。

 浜銀総合研究所(横浜市)は05年、書籍、映像、ゲームの「萌え関連」市場の総額を約888億円と試算した。萌えキャラたちはまだまだ注目を浴びそうだ。次はどこに「萌え」広がるのだろうか?

PR情報

このページのトップに戻る