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横浜+中国、写真とCGで融合

2007年04月19日11時24分

 中国・北京在住の若手芸術家クリスカさん(25)=本名・孫彦(スン・イェン)=が2月から約2カ月間、横浜市に滞在し、写真とCG映像で横浜と中国を融合させた。一度見ると、見慣れていたはずの横浜の風景が違って見えてくる。作品は22日まで、横浜市西区の横浜美術館で展示されている。

写真赤レンガ倉庫前から海を望み、シャッターチャンスをねらうクリスカさん=横浜市中区で

 会場には三つのスクリーンがしつらえてある。縦132センチ、横228センチ。一見しただけでは分からないが、クリスカさんが撮影した写真を引き伸ばし、インクジェット紙に印刷したものを額縁に入れて作ってある。

 もともとの写真は、赤レンガ倉庫と、ランドマークタワー周辺と、クリスカさんが滞在中に暮らしていた部屋の窓から見た景色。その上から、プロジェクターを使ってCGでつくったアニメーション映像を重ねていく。

 赤レンガにはボタンの花が咲き誇り、曇った空から道教の神様が雲に乗って降りてくる。ランドマークタワーとクイーンズスクエアのビルからは超合金のロボットのように腕が生え、おじぎをしたり、あくびをしたり、たばこを吸ったりする。

 ヨコハマの象徴的な名所。しかし、その記憶はクリスカさんの作品で、リセットされてしまう。

 逆にクリスカさんの部屋からの眺めは、ありふれていて、どこなのかはっきり分からない。ビルの壁に日本の浮世絵や中国の墨絵が重なって、屋上ではサルが踊る。中国だと言われても、うなずいてしまいそうになる。

 クリスカさんが来日したのは2月1日。2日間、通訳に市内を案内してもらった。赤レンガ、ベイブリッジ、山下公園、中華街、元町……。

 高層ビルが立ち並び、空が狭く、ひとがあふれているというイメージは消えていった。来日前に固めていた作品の構想を、「ゼロに戻した」。

 横浜市中区のアパートに住み、外出する時はいつもデジカメを持った。日本で初めて出会った風景を見つけてはレンズを向けた。1日100枚、撮った日もあるという。

 日本では美術館にも足を運んだ。「中国では、芸術作品を通して社会的な主張をするような風潮がある。でも、日本の作品には『遊び』の要素があって、見ていてリラックスできた」。影響を受けて自由な発想がどんどん浮かんできたという。

 横浜市は昨年度からアジアのアーティストとの交流を行っており、このプロジェクトも事業の一環。クリスカさんは中央美術学院大学院のデジタルメディア学科に在籍中で、中国でもほとんど無名の存在だ。昨年末、横浜美術館の副館長補佐天野太郎さんが実際に中国へ出向き、「日本に来たことのないひとに横浜がどう映り、作品にどんな変化が現れるか賭けてみたい」と、あえて若い人材から選んだという。

 クリスカさんは今月11日に帰国したが、会場では過去の作品も見られる。入場無料。問い合わせは横浜美術館(045・221・0300)。

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