現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事

昭和初期の洋館「旧モーガン邸」が焼失 神奈川県藤沢市

2007年05月12日10時40分

 12日午前4時45分ごろ、神奈川県藤沢市大鋸(だいぎり)の洋館「旧モーガン邸」付近から出火、木造2階建ての同建物約280平方メートルが全焼した。建物内に火の気はなく、藤沢署などは出火原因を調べている。

写真炎上する旧モーガン邸=12日午前5時すぎ、神奈川県藤沢市大鋸で

 全焼したのは、米国人建築家のJ・H・モーガン氏(1873〜1937)が1931年に自宅として建てた洋館。藤沢市と財団法人・日本ナショナルトラスト(JNT)が05年に総額2億2000万円で買い取り保存していた。藤沢、横浜、鎌倉各市の境付近の丘の上で、約6600平方メートルの敷地の中に立つ邸宅は建築時の姿がほぼ残り、磁器の瓦など日本建築の要素が採り入れられている。今月19、20の両日、特別一般公開される予定だった。

 モーガン氏は1920年、46歳で来日。横浜を中心に活躍し、東京の旧丸ビルや横浜山手聖公会(横浜市中区)など全国で30以上の建物を手がけたことで知られている。横浜山手聖公会は05年1月、放火により全焼している。

 モーガン氏の死後、所有者が次々と変わり、元ホテル・ニュージャパン社長の故横井英樹氏の別荘から、整理回収機構が管理する債権処理対象になった。解体の動きを受けた地元市民らが「旧モーガン邸を守る会」を発足させた。熱心な保存運動が購入に結びついたという。現在もJNTと守る会が草刈りや警備、見学会などを続けている。藤沢市消防本部には市民から「モーガン邸が燃えている」と、10本以上の通報があった。

 守る会世話人の一人、桑山直子さんは「連絡を受け現場に駆けつけた。ぼうぜんと見るだけだった。多くの人たちに支えられてきたので本当に残念。フェンスを乗り越えれば入ることが可能なので、こういう事態を心配していた」と話していた。

PR情報

このページのトップに戻る